Office 365 導入事例
赤城乳業株式会社
JBS の Live Support を活用し、既存グループウェアからの Office 365 へのスムーズな移行を実現
業種 | 製造・ヘルスケア |
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導入ソリューション | Live Support |
テーマ |
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製品パートナー |
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(左から)赤城乳業株式会社 財務本部 情報システム部 部長 吉橋 高行氏 財務本部 情報システム部 課長 髙橋 一仁氏、情報システム部 主任 荒井 健司氏
ロングセラーの『ガリガリ君』を始め、『ガツン、とみかん』、『濃厚旨ミルク』などを提供しているアイスメーカー赤城乳業株式会社(以下、赤城乳業)。同社では Microsoft Office 365(以下、Office 365)の導入にあたり、JBS ならではのフラットなサポート体制やタイムチャージ制のサポートを活用することで、既存グループウェアからのスムーズな移行を実現しました。
【利用状況】
情報共有基盤や新しいコミュニケーション手段として Office 365 を積極的に活用
赤城乳業における Office 365 の利用状況について教えてください。
Microsoft Exchange Online(以下、Exchange)によるメールやスケジュール管理のほか、Microsoft SharePoint Online(以下、SharePoint)を活用した情報共有、Microsoft Lync Online(現 Skype for Business、以下、Lync)によるショートメッセージやビデオ会議などを利用しています。
メールやカレンダーに関しては Office 365 の基本的な機能になるかと思いますが、スマートフォンを配付して社外でも社内にいるのと同等の環境で、安全に情報を共有したりコミュニケーションしたりできるようにしています。
SharePoint を活用した情報共有について教えてください。
旧グループウェアで利用していた 100以上のコンテンツから約 50種類のコンテンツを厳選して SharePoint へ移行しました。さらに、新規のコンテンツ約 20種を加えて、情報共有の基盤として活用しています。コンテンツの分類と代表的なコンテンツは次の通りです。
SharePoint コンテンツ一覧(左)、全社ポータルのサンプル画面(右)
また、SharePoint に関しては、社員が必要な情報と社員へ伝えたい情報へと効率的にアクセスできるよう、ポータル機能を活用しています。
ポータルは「全社ポータル」と「部署別のポータル」を提供しており、「全社ポータル」で提供されている情報は、旧グループウェアから移行した情報と、SharePoint によって新たに提供を始めた情報の 2種類に大きく分類されます。主な提供情報は次の通りです。
旧グループウェアから移行した情報
- 会社や部署などからの各種情報(お知らせ)
- 工場の生産予定や実績
- 各種会議議事録
- 各種報連相
- 業務報告書(サマリー)
- お客さまの声
SharePoint によって新たに提供を始めた情報
- 動画によるメッセージ、レポート(AKAGI 動画)
- 売上情報、分析情報(グラフ)
- 新商品発売情報
- パブリシティ情報(注目度表示付き)
- 業務カレンダー
- オンラインマニュアル
- 申請書等テンプレート
- ファイル転送機能(リンク)
Lync の活用状況についても教えてください。
現状、Lync のすべての機能を使いこなしているとは言えませんが、連絡を取りたい相手のオンライン状況(在席状況)を確認してショートメッセージを送ったりしています。メールだとどうしてもかしこまってしまいますが、手軽にコミュニケーションが取れるので使い始めるととても便利です。
また、2つある工場間でテレビ会議を実施するといった使い方を始めており、利用者からの反応も上々です。
技術的には、出先のスマートフォンからテレビ会議へ参加することも可能ですし、全国の支店の代表者が集まる会議に、工場や本社の社員が Lync を通じて参加するといった使い方も可能なので、さらに活用の幅を広げていきたいと考えています。
赤城乳業株式会社 財務本部 情報システム部 部長
吉橋 高行氏
【効果】
社内のコミュニケーションが活性化され、コミュニケーションの価値も向上
Office 365 を導入してどのような成果が上がっていますか。
Office 365 という情報共有基盤が確立されたことで、社内のコミュニケーションが活性化され、その価値も高まったと捉えています。
情報共有基盤の確立という点に関して、これまではライセンスの関係などから全社員がグループウェアへとアクセスできる環境を実現できませんでした。今回、全社員に Office 365 のライセンスを割り当てたことで、そのような状況が改善されました
ポータルなどを通じて必要な情報を提供することで、社員ひとり一人が同じ方針の元で業務に取り組める体制が整いつつあります。一言で言えば、情報の伝わり方が変わったと言えます。
また、社内メールの数が減ったというのも効果の 1つと捉えています。定量的な分析はできていませんが、SharePoint による情報共有が進み、ショートメッセージなども活用することで、メールを出す必要がなくなったことが要因だと分析しています。
1件 1件のメールを処理する手間と時間、そしてそれにかかるコストは大したものではないかもしれませんが、年間で考えたり、全社的に考えたりすれば、その積み重ねは決して小さなものではなく、業務コストの削減や効率化につながっています。
メールやグループウェアの使い勝手などが大幅に変わったと思うのですが、利用者の反応などはいかがでしたか。
すぐに順応できないケースもありましたが、想定内の反応でした。むしろ、これまでグループウェアを使用していなかった利用者や新人研修などでの反応を見ると、ごく自然に使っているようなので、使い勝手に関しては、「慣れ」の問題だと捉えています。
【導入の背景】
めざしたのは、ワークスタイルの変革とビジネススタイルの進化
Office 365 を導入した背景について教えてください。
当社では 1990年代後半よりグループウェアを導入し、社内の情報共有基盤として利用してきました。そのため、とても使い慣れた、都合の良いシステムではあったのですが、「システムの老朽化」と「ワークスタイルの変革」という 2つの課題に取り組むためグループウェアの刷新を図ることにしました。
「ワークスタイルの変革」と「ビジネススタイルの進化」という点について詳しく説明してください。
赤城乳業株式会社 財務本部 情報システム部 課長
髙橋 一仁氏
当社の売り上げは、2009年度には 200億円を超え、2013年度には 350億円を突破しました。実際に 400億円という数字が現実的なものとなりつつある中、このタイミングでワークスタイルをより効率的な形に変革・進化させなければ、さらなる大きな売り上げを支えきれなくなってしまうという危機感は持っていました。そのため、基幹システムの刷新などにも取り組んでおり、大きな視点で捉えれば今回のグループウェアの刷新もそのような「ワークスタイルの変革」、もしくは「ビジネススタイルの進化」ということが目的となります。
また、旧グループウェアでは個別業務の最適化という視点でデータベースやコンテンツを開発してきたため、結果的に 1,000種類にもおよぶデータベースが「乱立」している状態でした。今回、その棚卸しをするのにも良い機会だと捉えました。
具体的な「ワークスタイルの変革」や「ビジネススタイルの進化」といったイメージはあったのでしょうか。
「ワークスタイルの変革」や「ビジネススタイルの進化」といっても、さまざまな手法や考え方があると思います。今回のグループウェアの刷新に関する具体的なイメージとしては、次のようなポイントが挙げられます。
時間と場所による制約の排除
スマートフォンを活用して、出先にいても社内にいるのと同じように社内外とコミュニケーションができたり、情報を共有できたりする環境を促進・充実させることをめざしました。現場の作業効率が向上すれば、同じリソースでより多くの成果、すなわち売り上げを実現できます。
情報統制体制の確立
これまで一部の利用者に限られていたグループウェアの利用を全社的に展開することで、情報の統制を図り、必要な情報を全社員にわかりやすく、効率的に伝達する環境を整えること。さらには今後、さらにデータ量が増加しても、必要な情報へ、必要なときに、効率的にアクセスできる環境を整備することをめざしました。組織力を強化することで、当社のような規模の企業でも大企業と対等の競争できるようになれます。
情報システム部門の負荷軽減
構築や運用にかかる負荷を増やすことなく、最適なコストとリソースでシステムを効率的に運用できるようにすることをめざしました。いくら情報共有環境が促進されても、その運用・保守にかかるコストが膨らんでしまっては、最適化されたとは言えません。
【選定の経緯】
経験やノウハウのない新しいグループウェアの導入に対する不安材料
新しく導入するグループウェアとして、Office 365 を選択した経緯を教えてください。
グループウェアの刷新を検討する際は、旧グループウェアのバージョンアップも含めて、10社近くのサポートベンダーに提案を依頼しました。Office 365 を候補として取り上げた理由は次の通りです。
統合環境
メールやカレンダー、情報共有基盤、ポータル、コミュニケーションツール、スマートフォン環境が統合的に利用できる点を評価しました。これはユーザの利便性が高いというだけでなく、管理する側にとっても大きなメリットとなります。
マイクロソフト製品との親和性
Microsoft Word や Microsoft Excel(以下、Excel)といった製品を長く使い続けてきており、これからも使い続けていくことを考えると、それらの製品と親和性が高いことは重要なポイントでした。たとえば、ポータルに表示するグラフデータも、Excel のデータをドラックアンドドロップすれば、最新の情報へと更新できます。
クラウドサービス
クラウドに関しては、新グループウェアの要件として絶対的なものとしては考えていませんでした。しかし、クラウドサービスであれば、社外での利用もスムーズで、初期コストや運用コストが低く抑えることができ、新たな資産を持たなくても済むということから、同じ機能、同じ使い勝手の製品であれば、クラウドサービスを利用したいと考えていました。
その一方、Office 365 を選択するのには、いくつかの不安を解消し、決断しなければならないことも少なくありませんでした。たとえば、「旧グループウェアで実現していたコンテンツや機能が Office 365 で再現できるのか」という点や、仮に技術的には再現できるとしても、「経験やノウハウのない自分たちに、構築・運用ができるのかどうか」といった点。さらには、機能的やコストなど制約で実現できないことが出てきたとき、「現場とどう折り合いを付けていけばいいのか」という点も大きな不安要素でした。そのため、旧グループウェアのバージョンアップにするのか、Office 365 にするのかは最後の最後まで迷いました。
【選定理由】
JBS ならではのフラットなサポート体制や、合理的なタイムチャージ制のサポート方式に期待
そのような不安があった中、最終的に Office 365 の導入を決めた理由を教えてください。
1つは、将来的な価値をどう捉えるかという決断でした。グループウェアの刷新は、当社にとってこの十数年なかった取り組みです。当然、次のグループウェア刷新のタイミングを考えれば、今後、長期間にわたって使い続けていけるものを選択しなければなりません。古いアーキテクチャに縛られたまま単に器を大きくするのか、それとも情報共有基板として幅広い可能性を持った新しいテクノロジーに挑戦するのか。その決断を迫られたとき、「ワークスタイルの変革」をめざすのであれば、やはり新しいことに挑戦するべきだと決断せざるを得ませんでした。
しかし、その決断の前提には、適切なサポートを受けられるかどうかということが必須要件となります。結論から言えば、JBS の提案とサポートがあったからこそ Office 365 の導入を決断できたと言っても過言ではありません。
赤城乳業株式会社 情報システム部 主任
荒井 健司氏
具体的には、JBS の提案やサポート体制のどのような点を評価したのでしょうか。
今回、JBS とは初取引となるのですが、信頼できるところからマイクロソフト製品のソリューションに対する技術力が高く、経験も豊富だということで紹介を受けました。実際に提案を受けてみるとまったくその通りで、安心して Office 365 の導入サポートを任せられると判断しました。たとえば導入に関して、明確に WBS(Work Breakdown Structure)を示してくれたことで、安心かつ確実に導入プロジェクトを進行することができると考えました。
また、当社の要望に対して、できること、できないことを明確な理由と合わせて示してくれたことも、JBS が信頼できるポイントになりました。あいまいな対応をされるとこちらも迷いますし、現場や会社への説明もあいまいなものとなってしまいます。しかし、そのようなことがなかったので、迅速かつ迷うことなく判断ができる状況を作ってくれました。
サポート体制に関しては、時間チャージでエンジニアのサポートを受けられる「Live Support for SharePoint」(以下、Live Support)の利用を提案されました。今まで経験したことがない形のサポートサービスだったのですが、初期段階でサポートが必要なときには必要な時間だけ利用して、サポートを利用する機会は減っていけばその分のサポートコストを抑えることができます。将来的に SharePoint のコンテンツは自社内で構築・運用していく方針である当社にとっては、最適なサポートのスタイルだと考えました。
【JBS への評価】
高い技術力とプロフェッショナルな対応を高く評価
JBS に対しての評価をお聞かせください。
JBS は Office 365 の設計・構築・運用に慣れており、期待通り、安心して導入を進めることができました。不明点や要望にも、各担当者が迅速に対応してくれるので、タイトなスケジュールであったのにもかかわらず、タイムロスを最小限に抑えて予定通りに導入・移行プロジェクトを進めることができたと考えています。また、独立系のベンダーの良さだと思うのですが、特定のメーカーや製品に縛られるのではなく、たとえばメールセキュリティに関するサービスなど、当社に最適だと思われるソリューションやサービスを提案してくれたのもプロフェッショナルな対応だと思いました。
また、各コンテンツの移行に関しても、各担当者にヒアリングをする際に粘り強く、プロフェッショナルな対応をしてくれました。そのため、仮に現場の要望通りに再現できない部分があったとしても、最終的には納得してもらうことができました。当初は、70種類にもおよぶ SharePoint のコンテンツを予定通りに構築できるかどうか、正直なところ不安はありましたが、JBS の技術力の高さと献身的な対応で実現することができました。
本プロジェクトは、江口 慧(技術)、葉澤 稔(技術)、小野塚 世樹(営業)が担当しました。(前列右より)
今後の展開予定があれば教えてください。
SharePoint のコンテンツに関しては、現場から修正・新規の要望が上がってきていますので、順次、対応をしていく予定です。 当社としても、「Live Support」を上手く活用しながら、自前での運用体制を強化していきたいと考えています。
また、新しい機能としては Microsoft OneDrive の活用について検討しています。しかし、現状、ファイルサーバもあり、ローカルディスクもありますので、どのような使い方がいいのか手探りの状況です。
JBS への要望や期待があればお聞かせください。
JBS には、若くて優秀なエンジニアの方が多いという印象があります。彼らが今後、さらに経験を積んで熟練していくと考えると、サポートを受ける側としてはとても心強いものがあります。今後も、新しいコンテンツの作成などで相談に乗ってもらう機会も多いと思いますので、引き続き JBS ならではのレベルの高いサポートに期待しています。
JBS 担当者コメント
グループウェアから SharePoint に移行するコンテンツに関しては、現場の方からもヒアリングを行って情報や要望の洗い出しをしました。そこで得られた情報が、電話などでやり取りをしながら離れた場所で作業する際にとても役に立ちました。また同時に、モックアップサイトを作成してフィット&ギャップ分析を行う際に、齟齬(そご)が生じることが少なかった要因にもなっていると考えています。
普段は情報システム部門の方と話をする機会が多いので、エンドユーザの方の考えや困っていることを直接伺えた経験は、個人的にも勉強になりました。
システムインテグレーション統括本部 AmbientOffice ソリューション本部
コラボレーション & ソーシャルデザイン部 アシスタントマネージャー 江口 慧
クラウドメールから Exchange への移行でしたので、「システムの共存環境の構成」と「サービスイン時の切り替え作業」という 2つのポイントを意識しながら作業を進めるようにしました。
メールの移行に関しては、お客さまに依頼しなければならないことも多いのですが、予定通りにご対応いただけたので、とても助かりました。個人的には、赤城乳業様と JBS のメンバーが一体となって取り組めたことが、大きな成果につながったと思っています。
システムインテグレーション統括本部 AmbientOffice ソリューション本部
コラボレーション & ソーシャルデザイン部 葉澤 稔
Exchange と SharePoint、それぞれのプロダクトごとに専任のご担当者様をアサインしていただき、また、事前に SharePoint のトレーニングを受講していただいたことで、開始時からスムーズにプロジェクトを進めることができました。そのような赤城乳業様の積極的な姿勢が、予定通りにシステムをカットオーバーすることにつながったと捉えています。
「Live Support」を通じて、赤城乳業様の運用サポートや業務効率向上に貢献できればうれしく思います。
営業本部 営業2部 営業3課 小野塚 世樹
赤城乳業株式会社
代表者:代表取締役社長 井上 秀樹
本社:埼玉県深谷市上柴町東二丁目27番地1
設立:昭和36年12月20日(創業 昭和6年10月22日)
資本金:7億7千万円
従業員数:650名(社員331名)
事業概要:①冷菓、氷の製造及び販売、②一般食料品の製造及び販売、③前各号に付随する一切の事業
URL:http://www.akagi.com/
2015.06.17公開