マネージドクラウド for Microsoft Azure 導入事例
メガネの田中ホールディングス株式会社
分断していた運用体制を標準サービスで統合
システム運用のブラックボックス解消とコスト削減を実現
業種 | 流通・サービス・公共・その他 |
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導入ソリューション | マネージドクラウド for Microsoft Azure |
テーマ |
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(左から)メガネの田中ホールディングス株式会社 IT マネジャー 金森 茂雄 氏、IT マネジャー 柳元 啓太 氏、IT ディレクター 中嶋 隆之 氏
マネージドクラウド for Microsoft Azure の導入で
インフラからアプリケーションまで包括したサポートへ移行
「最高の見える・聞こえるからはじまる いろどりゆたかな人生を歩み続けるパートナー」を目指し、西日本を中心に国内 110 店舗を展開するメガネの田中グループは、積極的な IT 投資にも取り組んでいます。しかし、インフラとアプリケーションの運用が、それぞれ別ベンダーに分断していたことから、品質やコスト面で課題を抱えていました。そこでこの 2つの運用を JBS のマネージドクラウド for Microsoft Azure に統合。標準サービスをベースとすることでコスト削減を図るとともに、各システムのリアルタイムな監視による迅速なアラートやインシデント対応を実現し、業務現場のユーザーに対するサービスレベルを向上させています。
【会社概要】
積極的な IT 投資により社内 DX を急加速
メガネの田中グループについてご紹介ください。
メガネの田中グループが前身である「田中眼玉堂」が広島県で創業したのは、今から 100年以上前の 1913年(大正2年)のことです。その後、西日本を中心に店舗を増やしていき、現在では国内に 110店舗を展開しています。
「優れた品質の商品とサービスで、お客様に喜んでいただく」という創業時からの価値観を受け継ぎ、メガネやコンタクトレンズによる「見える驚き、見られる喜び」、補聴器による「聴こえる驚き、話せる喜び」を提供することを自らの使命としています。
最先端の技術やノウハウを積極的に取り入れつつ、「ビジョンケア」と「ヒアリングケア」のスペシャリストが一人ひとりのお客さまと真摯に向き合い、対話を深め、時にはユーザー自身でも気づいていないニーズにまで着目することで、生活の中での喜びを感じていただくことが、当社のビジネスの特徴です。
ぜひ IT への取り組み状況も教えてください。
「1巡目のDX」と呼んでいるのですが、当社は 2017年頃から積極的な IT 投資を開始しました。これにより基幹システムや店舗システムをはじめ、Web ページや EC サイトや含めたデジタルコミュニケーション、エンゲージメント強化のためのシステムを短期間で構築・整備してきました。
ちなみに以前の当社は、デジタルとはほとんど無縁に近い会社だったため、大きな変化が生じたと言えます。
【導入の背景】
インフラとアプリケーションの運用が分断した課題が顕在化
急速な IT 投資を進める中では課題もありましたか。
業務で求められる範囲を超える、ある意味での過度なデジタル化の弊害が生じていました。IT システムは本来、経営や事業の効率化・合理化に貢献すべきものであるはずです。ところが各システムから発生するコストが、逆に重い負担となっていました。
先に述べたとおり、以前の当社はシステム化・デジタル化が限定されており、IT システムに対する知見を持った人材もほとんどいなかった中、オーダーメイドに近い形でシステムの開発を行ったこともコスト上昇の一因でした。
また、インフラ運用もベンダー主体になっており、各システムがどのような状態で稼働しているのかを知らなかったため、コスト削減の手を打つことが困難でした。
課題を解決するためにどんな施策を検討したのでしょうか。
まずは標準サービスの活用です。特に当社のような規模の企業が、IT インフラの運用、監視をすべて個別サービスで対応してしまうとコストが過剰になってしまいます。そこで、ベンダーが持つ標準サービスを活用することによって、コストの最適化を図りたいと考えました。
次にシステム基盤の管理が業務システム毎に別々のベンダーに分断されていた運用体制の統合です。これによってシステムのブラックボックス化の解消を目指しました。
ここで大きな選択が求められたのが、運用をインフラ側に寄せるのか、それともアプリケーション側に寄せるのかの判断ですが、最終的にアプリケーション側に寄せることを決定。「2巡目のDX」を推進していく運用支援サービスとして JBS の「マネージドクラウド for Microsoft Azure」を導入し、インフラからアプリケーションまで一貫した包括的な対応をお願いすることにしました。
【JBS 選定の経緯】
業務面と技術面を総合的に評価して JBS の提案を採用
JBS およびマネージドクラウド for Microsoft Azure のどんな点を評価しましたか。
メガネの田中ホールディングス株式会社 IT ディレクター
中嶋 隆之 氏
そもそも JBS には数年前から Microsoft Dynamics AX と Microsoft Dynamics CRM をはじめとするマイクロソフト系アプリケーションの保守を依頼していた経緯があり、当社の業務を熟知しているという安心感がありました。加えて検討過程においても JBS は、詳細なヒアリングに基づいて運用業務とアウトソース項目の洗い出しを行うなど、真摯に対応してくれました。
こうした業務面と技術面を総合的に評価した結果、JBS の提案を採用しました。実際、マネージドクラウド for Microsoft Azure の標準サービスにインフラとアプリケーションの運用を一元化することで、コスト削減を図るとともに、これまで不十分だったシステムログに基づいた各アプリケーションの稼働状況の分析や監視も可能となるなど、大きな改善を実現できています。
【導入効果】
マネージドクラウド for Microsoft Azure への移行が 3か月で完了し、
インシデント対応コストを約 40% 削減
Azure 移行プロジェクトはどのようなスケジュールで進められたのですか。
プロジェクトは 2023年7月から 9月までの 3か月間にわたって実施しました。インフラ運用の巻き取りに関しては既存ベンダーからの引き継ぎが発生するため、ベンダー間のやりとりで少し苦労することもありましたが、そこは JBS に依存するのではなく、私たちも当事者として責任をもって対応するよう心掛けました。
結果として大きなトラブルや手戻りが発生することもなく、予定通りのスケジュールでマネージドクラウド for Microsoft Azure への移行を完了することができました。
マネージドクラウド for Microsoft Azure への移行でどんな成果を得られましたか。
システム運用のブラックボックスが解消され、リアルタイムの状況監視が可能となったことで、ユーザーに対するサービスレベルが向上しました。
具体的には業務現場のユーザーから問い合わせやクレームが入る前にマネージドクラウド for Microsoft Azure 側からアラートが上がってくるため、IT 部門も効率的な対処を行うことが可能となりました。従来のように業務に支障を及ぼすレベルまで状況が悪化し、影響範囲が拡大してから慌てて対応しなければならないケースは激減し、インシデント対応コストは以前と比べて約 40% 削減されています。
またシステム全体の TCO(総所有コスト)が削減され、財務会計上の収益改善に貢献したことから、経営陣からも評価してもらっています。
メガネの田中ホールディングス株式会社 IT マネジャー
金森 茂雄 氏
なお、マネージドクラウド for Microsoft Azure の標準サービスですべてのインフラやアプリケーションの運用をカバーできるわけではありません。実はそこから漏れた部分こそ競争領域における当社の差別化要素となるものであり、ベンダーに依存するのではなく、自らの手で経験を重ねながらノウハウを蓄積していくべきと考えています。
こうしたベンダーと IT 部門の明確な役割分担が実現したことも、JBS のマネージドクラウド for Microsoft Azure を導入した大きな成果です。
【今後の展望】
次なる DX フェーズの実現に向けてセキュリティ強化を推進
今後に向けた計画や構想をお聞かせください。
メガネの田中ホールディングス株式会社 IT マネジャー
柳元 啓太 氏
「1巡目のDX」で導入した身の丈に合っていないシステムについては、適切なものへの見直しを図り、引き続きコストの最適化を進めていきます。
一方で、デジタルマーケティングや CX(顧客体験価値)向上などに資する“攻め” のシステムや、データドリブン経営を支える高度なデータ連携を実現する仕組みづくりは、まだまだ手薄なレベルにあるのが実情です。「2巡目のDX」では、これを補う Microsoft Azure サービスの活用にもしっかり取り組んでいきたいと考えています。
さらに喫緊の課題として捉えているのは、セキュリティ対策の強化です。同業者や取引先の間にもサイバー攻撃の被害が広がっているだけに他人事ではありません。そこで JBS には、現状のセキュリティ対策のアセスメントや、SOC(Security Operation Center)の体制づくりなどでも相談に乗っていただけるとうれしいです。
【JBS への評価】
JBS の担当者一人ひとりの “人間力” を高く評価
JBS の導入支援・サポート体制に対する評価をお聞かせください。
インフラ運用とアプリケーション運用を統合した今回のプロジェクトを通じて、当社と JBS でパートナーシップをさらに深めることができました。
ソリューション提案やマネージドクラウド for Microsoft Azure のエンジニアとして、いつも手厚いサポートをいただいている皆さまの親身で真摯な対応には非常に高い信頼を置いています。その意味で、SIer としての JBS もさることながら、一人ひとりのメンバーの人間力を高く評価しています。
もっとも JBS 社内で人事ローテーションが行われることも理解しており、今回のプロジェクトをともに進めてきた皆さまに、将来にわたって当社を担当していただけるとは限りません。しかし仮にメンバーチェンジが行われた場合でも今と変わらない対応レベルで、当社の取り組みを支えてくれることを JBS には期待しています。
JBS 担当者からのコメント
2017年からアプリケーションレイヤーから始まり、これまで様々なビジネスをご一緒させていただきました。今回、既存のアプリケーションだけではなく、インフラ側も JBS にお任せいただいたことで、インフラとアプリケーションの両側面においてワンストップでサービス提供が可能となる素地ができました。メガネの田中さまにさらに貢献できるよう、営業含めこれからも One JBS でご支援します。
西日本事業本部 第2営業部
森 友秀
メガネの田中さまのインフラ運用の切り替えや改善にご協力できたこと、大変うれしく思います。長年インフラ運用を任されていたベンダーからの切り替えは容易なものではありませんでしたが、事前の運用整理プロジェクトなどでご担当者のご協力をいただけたことで完遂できたものと感じています。今後ともよりよいサービスをご提供できるように尽力していきます。
クラウドマネージドサービス事業本部 マネージドサービスセンター オペレーションデザイン1グループ
藤田 愛美
メガネの田中ホールディングス株式会社
代表者:代表取締役社長 デイミアン ホール本社所在地:広島本社 広島市中区本通2-10
大阪本社 大阪市中央区南船場3-6-20メガネの田中 心斎橋ビル
創業:1913年3月25日(田中眼玉堂創業の日)
資本金:5,000万円
従業員数:673名(メガネの田中グループ全社合計/2024年3月末現在)
事業概要:メガネの田中チェーン:眼鏡、補聴器、サングラス、コンタクトレンズ、その他関連商品の販売・サービス
メガネの田中ホールディングス:グループの本部機能として経営戦略立案及び統括業務
2024.09.03公開