現状分析
株主資本コスト
JBS では、資本資産価格モデル(CAPM)に基づき算出された数値を株主資本コストとしてとらえています。但し、上場から 2年程度であり β の算定期間が短いことや不十分な取引量な どの問題があることから、これを絶対視せず、今後も資本コストの水準について投資家の皆さまとの対話を基に適宜修正して参ります。
計算の結果、株主資本コストは 7.5% から 8.5% の範囲と推定しています。
株主資本コスト = 無リスク資産利子率※1 + β ※2 x マーケット・リスクプレミアム x 個別株サイズプレミアム
- 1 無リスク資産利子率:10年物国債の 1か月平均利回りを使用
- 2 β:マーケット・リスクプレミアムに対する JBS 株式の感応度。推計値を修正して使用
- 1 マーケット・リスクプレミアム:過去の日本株式市場におけるリターンから推定して使用
- 1 個別株サイズプレミアム:過去の日本市場におけるリターンから推定して使用
資本収益性
JBS では、共用の資産が多く事業セグメント別に資本の区分が困難なこと及び、事業セグメント間の事業関連性が高く事業セグメント別に資本収益性を管理する有用性に乏しいことから、資本収益性の指標としては ROIC ではなく、ROE を重視します。
過去 5年間の ROE 推移は以下の通りです。
2020年9月期 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | |
---|---|---|---|---|---|
ROE | 7.4 % | 12.4 % | 16.0 % | 16.0 % | 6.7% |
JBS の資本コストや資本収益性及び市場評価に関する取締役会の評価
2024年9月期の ROE は 6.7% と株主資本コストを下回る結果となりました。また、2023年 10月 1日から 2024年 9月 30日までの平均 PBR は 2.6 倍、平均 PER は 17.5倍となりました。
この結果をうけ、JBS が属する情報・通信業の他社と比較して低い水準にとどまっていると取締役会で評価いたしました。
ROE 改善に向けた方向性
ROE の目標を過去 5年間の平均値 11.7% を上回る 13% に設定します。
ROE 目標達成に向け、以下の方針に従い取り組みを実施します。
売上高利益率の改善 | 収益性の高いクラウドインテグレーション事業及びクラウドソリューション事業の売上比率向上 成長領域(AI、セキュリティ)への注力 |
総資産回転率の改善 | 売上高の増加、総資産増加の抑制 |
財務レバレッジ | 最適な資本構成の維持 |
市場評価改善に向けた取り組み
JBS は市場評価改善に向けて、株主・投資家との対話を重要と考えています。
ROE 目標を継続的に達成していくとともに、JBS の成長戦略について株主・投資家との対話を実施してまいります。