ポータルサイト刷新と情報共有の活性化事例
千歳コーポレーション株式会社
デザイン思考に基づいた社内ポータルの構築で、時間と場所を超えた新しい働き方を実現
業種 | 流通・サービス・公共・その他 |
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テーマ |
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製品パートナー | マイクロソフト |
(左より)千歳コーポレーション株式会社 取締役 専務執行役員 管理本部長 中尾 誠志 氏、システム部長 前澤 秋生 氏、システム部 次長 磯部 宏 氏
SharePoint Online のモダン UI をベースに、ユーザー体験を最優先にしたアプローチで
いつでも&どこでも&誰もが使いやすい、社内ポータルを実現
首都圏および主要都市のビルを中心に快適なオフィス空間を提供している千歳コーポレーション。同社は、創立 60周年を機に抜本的な働き方改革を推進し、その一環として全社員が利用するポータルサイトの刷新に乗り出しました。JBS とともにデザイン思考のアプローチでモダン UI を採用した新ポータルを構築し、あらゆるコンテンツへの直感的かつ迅速なアクセスを実現。かつてない UX(ユーザー体験)の提供を通じて、社内の情報共有やコミュニケーションを活性化させています。
【会社概要】
三菱UFJ銀行が店舗を有するビルを中心に快適なオフィス空間を提供
千歳コーポレーションについてご紹介ください。
千歳コーポレーションは 1960年8月に、当時の三菱銀行(現、三菱UFJ銀行)をはじめとする三菱グループ各社の協力を得て設立された、オフィスビル賃貸事業を柱とする企業です。
首都圏および全国の主要都市(大阪・京都・神戸・仙台・静岡・名古屋・岡山・広島・福岡)の駅近くに位置する三菱UFJ銀行が店舗を有するビルを中心に、快適なオフィス空間を提供しています。現在は、長年のオフィスビル事業で培ったノウハウを生かし、好立地でクオリティの高い賃貸マンションも提供しています。
【導入の背景】
ニューノーマルやダイバーシティに対応したワークスタイル変革へ
社内ポータルサイトの刷新に乗り出した背景を教えてください。
千歳コーポレーション株式会社 取締役 専務執行役員 管理本部長
中尾 誠志 氏
大きな転機となったのは、2020年に迎えた 創立 60周年です。これを機に千歳コーポレーションは「空間に価値を、“働く”に未来を。」という新たなパーパスを掲げましたが、そのためには私たち自身も変わらなければならないと考えました。
「時空を超えた新しい働き方とも調和・協働できるリアルな空間」というコンセプトのもとでオフィスのリニューアルを行い、人事制度改革、クラウド化を中心とした ICT 改革を同時に進めています。アフターコロナ時代の新常態(ニューノーマル)や多様性(ダイバーシティ)にも対応し、時空を超えたハイブリッドワークの実現を目指しています。
社内ポータルの刷新も、このコンセプトを体現する取り組みの 1つです。現在推進している第11次中期経営計画でも「データの高度活用」を重要テーマに位置づけ、社内のあらゆる ICT システムやライブラリへの入口として、モダン UI を採用した、より快適で、将来の DX につながっていくポータルの整備が必須と考えました。
以前の社内ポータルには、どんな課題があったのでしょうか。
これまでの社内ポータルは、基本的にコンテンツのタイトルを一覧表示しただけの、いわば文字だらけでクラシックな UI でした。そのため、タイトルをクリックして開くまで中身を知ることはできませんでした。また、重要な情報が何かも一目では判断できませんでした。結果、目的のコンテンツにたどりつくまでに何度も手戻りが発生することがありました。
またポータルを通じた情報発信は一方通行であり、だれがどのコンテンツを閲覧したのかも把握できていませんでした。
【選定の経緯】
デザイン思考のアプローチでプロジェクトをリード
モダン UI を採用した社内ポータルへと刷新するにあたり、SharePoint Online を選定した理由を教えてください。
以前の社内ポータルも Microsoft SharePoint(以下、SharePoint)で作られており、データの移行および継承など親和性の高さを考えると、やはり SharePoint をベースにするのが得策と判断しました。また SharePoint Online ではクラウド上でファイルやデータの保管や共有ができるため、リモートワークにも容易に対応できるメリットがあります。
JBS をパートナーに選定した理由は何だったのでしょうか?
既存コンテンツの継承が必要と述べましたが、実はこれまでオンプレミスで運用してきた SharePoint Server のバージョンが古く、移行に対応できるベンダーは限られました。その点、 JBS はマイクロソフト製品に対する造詣が深く、レガシーテクノロジーも熟知した高い技術力のバックグラウンドと豊富な実績があり、「十分に対応可能」と力強く答えてくれたことから安心感がありました。
そして最も重要な決め手となったポイントは、当社にとってどんな UI を実装するのが最適なのか、一緒に考えるパートナーとなってくれたことです。
社内ポータルを刷新するにあたり、私たちは「メディアのニュースサイトのような、ユーザーにとって使いやすいモダンな UI を採用したい」と要望を出していましたが、実際にはそのイメージは漠然としていました。そんな私たちへ JBS からは、デザイン思考のアプローチでソリューションを提案いただきました。
【導入プロセス】
既存コンテンツの移行に自動化ツールを作成して対応
プロジェクトはどのように進められたのでしょうか。
2023年の年明けから JBS にプロジェクトに加わっていただき、まずは既存の社内ポータルのアセスメントから開始し、その結果に基づいてどんな方向で刷新を目指すべきなのかデザイン面のコンセプトを定めました。
そして社内稟議を経て 2月末に JBS と正式に業務支援契約を結び、プロトタイプの開発に着手。4月初旬には、かなり完成形に近いモダン UI が出来上がりました。
この段階をもって社長へのプレゼンテーションおよび各部門への説明会を実施するとともに、そこから上がってきた要望を反映する形で UI をブラッシュアップしていきました。こうして新ポータルは 7月頃から段階的なリリースに至り、9月初旬には主要な既存コンテンツの移行も完了しています。
上述のすべてのプロセスにわたって、JBS に手厚いサポートをいただきました。おかげでプロジェクトを順調に進めることができました。
千歳コーポレーション株式会社 システム部長
前澤 秋生 氏
プロジェクトの途中では、多くの苦労もあったのではないでしょうか。
今回のポータル刷新では強い抵抗を示すユーザーが一部いたのも事実です。私たちだけでは説得がかなり難航したかもしれませんが、JBS がコンサルタントとして専門的な視点からモダン UI を導入する意義やメリットを説いてくれたことで、全社的な合意を得ることができました。
もう 1つ苦労したポイントは既存コンテンツの移行ですが、これについても JBS の大きな貢献がありました。Microsoft Power Automate を利用した移行ツールを作成するなど、自動化を進めたことで、効率的かつ短期間の移行を行うことができました。
【導入効果】
ポータルのトップ画面から直感的かつ迅速にコンテンツにアクセス
社内ポータルを刷新したことで、どんな成果があらわれていますか。
千歳コーポレーション株式会社 システム部 次長
磯部 宏 氏
さまざまなコンテンツへのアクセスが格段に向上しました。カテゴリごとにコンテンツが整理されており、タイトルだけでなくサムネイル画像からコンテンツの中身を容易に推測できます。これによりポータルのトップ画面から直感的かつ迅速に、目的とするコンテンツにたどり着くことができるのです。
また、全社員に見てもらう必要がある重要な「お知らせ」は、別枠の目立つ場所に表示されているため、通知漏れは大幅に減少しています。
加えてどのコンテンツを何人が見たのか、閲覧数をカウントできるようになったことも大きなポイントです。社員がどんな情報に関心を持っているのか把握できるとともに、さまざまな情報の発信者は、「より多くの社員に見てもらう」ことを強く意識したコンテンツづくりに注力するようになりました。刷新されたポータルのモダン UI は利用者にとっての「わかりやすさ」、「使いやすさ」だけではなく、発信者にとっても「伝える情報の質を高める」ための仕組みを提供し、社内の情報共有やコミュニケーションの活性化に大きく寄与しています。
【今後の展望】
より能動的な情報活用を促すBI環境の提供を検討
今後に向けた計画や構想をお聞かせください。
多様なシステムやアプリケーションで管理されている静的なコンテンツへのアクセスは、今回のポータルでほぼ一元化することができました。
今後はより能動的な情報活用を促すデータ分析もポータル上で行えるようにしたいと考えており、具体的にはマイクロソフトの Power BI の利用環境の提供を検討しています。
【JBS への評価】
プロジェクト全般を高いクオリティで手厚くサポート
ここまでのプロジェクトを総括し、あらためて JBS の導入支援・サポート体制に対する評価をお聞かせください。
今回のプロジェクトを JBS は、デザイン思考のアプローチでリードしてくれたと述べましたが、その根幹には卓越した技術力があります。そうした意味で JBS はこの分野のコンサルタントとして日本でも屈指の存在と考えており、提案内容やアウトプットのクオリティにも全幅の信頼を置くことができました。
また過度にビジネスライクなポジションに立たず、千歳コーポレーションとしてのあるべきポータルを実現するために、困難な課題にもあえて火中の栗を拾うが如く手を差し伸べてくれるなど、プロジェクト全体を通して手厚いサポートを行ってくれたことに、とても感謝しています。
JBS 担当者のコメント
千歳コーポレーションさまの DX 推進における施策に貢献できたことを大変うれしく思います。
モダン UI は現行から見た目が大きく変わるため抵抗が多い中、SharePoint のモダン UI の特性をご理解いただき、千歳コーポレーションさまのご協力があってこそ、無事に完遂できましたこと、深く感謝申し上げます。今後も千歳コーポレーションさまのご支援ができるよう尽力してまいります。
クラウドソリューション事業本部 コンサルティングサービス部 アドバンストデザイングループ
鈴木 亜有子
社内ポータル構築の案件では、サイトのデザインはベンダーに「おまかせ」というお客さまが多い中、千歳コーポレーションさまでは、社員のためにより良いものをしっかり作っていこうという強い想いを持たれ、デザインについても活発にご意見をいただきました。その高い熱量に私たちも刺激を受けながら、終始高いモチベーションでプロジェクトに臨むことができ、非常に達成感のある案件となりました。
クラウドソリューション事業本部 コンサルティングサービス部 アドバンストデザイングループ
雨海 直子
千歳コーポレーションさまの DX 施策の推進に貢献ができ大変うれしく思っております。今回の社内ポータル刷新においてはコンセプト検討からリリースまで携わらせていただき、システム部の皆さまを中心に多数の関係者さまのお力添えにより成せたと感じており深く感謝申し上げます。今後もさまざまなデジタル技術を活用し、千歳コーポレーションさまの DX 推進に貢献できるよう尽力してまいります。
クラウドソリューション事業本部 コンサルティングサービス部 ITコンサルティンググループ
舟生 智浩
千歳コーポレーションさまの DX 推進における施策に携わることができ、大変うれしく思います。
ご提案からリリースまでスピード感をもってご支援が可能だったのは、皆さまのご協力のもと成しえたものと感じており深く感謝申し上げます。今後も JBS ならではのアプローチにて、千歳コーポレーションさまの DX 推進に貢献できるように尽力してまいります。
製造・流通事業本部 製造流通2部
野田 陽平
千歳コーポレーション株式会社
代表者:代表取締役社長 森岡 寛司
本社所在地:〒101-0045 東京都千代田区神田鍛冶町3-6-3 (神田三菱ビル9階)
設立:1960年8月
資本金:2億4500万円(純資産:2023年10月31日現在 615億円)
従業員数:272名、千歳グループ社員総数 876名(2023年10月31日現在)
事業概要:オフィスビル賃貸事業、マンション賃貸事業、提携企業内保育所運営、銀行店舗チャネル再編業務の受託
2024.01.31公開