会計システム刷新事例

株式会社MonotaRO

SAP S/4HANA で会計システムを刷新 業績拡大に伴う⼤量のトランザクションへ対応

会計システム刷新事例_株式会社MonotaRO
業種 流通・サービス・公共・その他
テーマ
  • アプリ開発
  • データ活用
  • クラウド活用
  • 運用管理
  • ERP

(左から)株式会社MonotaRO 専務執行役 経営管理部門長 甲田 哲也氏、エンタープライズビジネスエンジニアリング部門 部門長 森脇 浩司氏、エンタープライズビジネスエンジニアリング部門 会計グループ 後藤 賢二氏

決算処理のデータ環境ストレスをなくし、さらなる業務効率化への契機とする

MonotaRO(以下、モノタロウ)は、工具や事業所で使用する消耗品、オフィス用品などの間接資材を取り扱う B to B 向けオンラインストアを運営しています。順調に業績が伸びる一方で、それを支える会計システムでは、トランザクション量の増加に対し、必要なパフォーマンスを得るためのシステム的な負荷が高まっていました。今後も増加するトランザクションをストレスなく処理できるように、SAP のクラウド ERP「SAP S/4HANA」と「SAP HANA Enterprise Cloud」を採用し、JBS との共創チーム体制で刷新しました。これにより売上 2000億円超の EC で発生する会計トランザクションを安定的に処理できるようになり、さらなる飛躍への足場を固めました。

【会社概要】
資材調達ネットワークの変革を目指して国内最大規模のサービスへと成長

モノタロウについてご紹介ください。

最終製品になる原材料や部品などの「直接資材」を除く全ての資材である「間接資材」の販売を行っています。間接資材は多種多様です。また、商流が複雑で価格が不透明であるため、見積や交渉などの手間が発生しており、適正な価格でタイムリーに買えないという課題がありました。また、多種多様であるゆえに、そもそも欲しいものを探すにも時間がかかります。そうした課題を解決するために、2000年の創業以来提供サービスの向上に取り組んできました。

経営理念に「資材調達ネットワークを変革する」を掲げ、国内の事業者を主要顧客とし、従来は手間のかかっていた間接資材の購入を、インターネットを通して効率化する事業を営んでいます。工具類、安全用品、物流用品、実験関連用品、オフィス用品、制御機器・産業機器など 2,000万点超の商品を取り扱っており、登録顧客数は約 8.8百万ユーザーと、間接資材販売の EC としては日本最大級のサービスに成長しました(2023年9月末時点)。また、国内事業で培ったノウハウをもとに韓国、インドネシア、インドへも進出するなど、グローバル展開にも注力しています。

【導入の背景】
増え続けるトランザクションに対して月末締め処理等に対するシステム的な負荷が高まっていた

刷新対象となった会計システムは、どんな課題を抱えていたのでしょうか。

モノタロウは順調に業績を拡⼤しており、特に直近の 10年間は⼤幅な成⻑を遂げています。それを支える IT システムのうち、会計システムに関しては国産パッケージを 10年ほど利用してきましたが、事業の成長に伴って拡大する売掛金の消込や締め処理等の会計処理量の増加に対して、必要なパフォーマンスを出すためのシステム的な負荷が高まっていました。サーバーのリプレース等を行って対応してきましたが、今後も増加するトランザクションをストレスなく処理するためには根本的な解決が必要だと考え、2020年に新会計システムの検討を開始しました。

【選定の経緯】
トランザクションの増加に耐えうる SAP を採用し、信用できるパートナーとして JBS を選定

SAP を選定した経緯をお聞かせください。

株式会社MonotaRO 専務執行役 経営管理部門長 甲田 哲也氏

株式会社MonotaRO 専務執行役 経営管理部門長
甲田 哲也氏

売上規模が 2200億円からさらにスケールすることを見越し、それに伴って増加するトランザクションに耐えられるパッケージが何なのか、カスタマイズやアドオンによる拡張性、導入後の自社エンジニアによる運用も加味して、国内・海外を問わず比較考慮し、その結果、国内外で安定した実績のある SAP S/4HANA を選定しました。モノタロウにおける売上規模の拡大に伴うトランザクション量を問題なく処理できるであろうという信頼性と、ビジネスの変化に対応できる拡張性が選定の決め手となりました。

JBS をパートナーに選定した理由を教えてください。

SAP ジャパンに相談して複数のパートナーを提案していただいた中の1社が JBS でした。ミーティングを重ねる中で「信用できる会社だ」と感じたことが一番の決め手になりました。大手EC企業のサポート実績もあり、議論に参加していたITチームのメンバーからの評価が特に高かったです。

【導入プロセス】
入念な準備と要件定義によってシステム刷新の価値最大化を目指す

導入プロジェクトはどのように進められたのですか。

まず、2021年1月からの 3か月の準備フェーズを含め、要件定義に通常より時間がかかりました。要件定義が一旦終了し、アドオンを行うか否かの判定を行ったのが 2022年2月半ばから 3月半ば頃で、そこに至るまでに1年ほどかかりました。

パッケージですから業務をシステムに合わせる Fit to Standard が前提であるものの、全ての業務や諸条件を可視化した上で、考え抜いて、それを行うことが適切と考え、まずは、3か月の準備フェーズで業務を洗い出して整理し、できるだけ考慮すべき業務要件を出し切り、JBS に説明を交えて共有しました。旧来システムの外でアクセス等を用いて行っていた業務も併せて、全フローを俎上に載せました。その上で、要件定義を通じて、いったんは投資対効果を考慮せずにアドオン開発や代替手段も含めた全体像を描き、その後、アドオンについては、アドオンなしでできることを最大限に考えた上で、投資対効果をみて絞り込みました。

株式会社MonotaRO エンタープライズビジネスエンジニアリング部門 部門長 森脇 浩司氏

株式会社MonotaRO エンタープライズビジネスエンジニアリング部門 部門長
森脇 浩司氏

「事業運営に必要なことをいかにスムーズに実現できるか」が重要であって、現行の仕組みや業務フローに固執していたわけではありません。これを機に改善できることがないかも考えました。そして、アドオンを行うか否かの判定に際しては、JBS の助けも借りて SAP の機能、 SAP や周辺システムでの実現方法等を確認していった結果、100 程度あったアドオン候補は、最終的に 30 ほどに絞り込むことができ、運用の改善とともに進めることが決まりました。
その後は 2022年4月から開発、そしてテストへと進めました。途中、3か月の品質向上期間を経て 2023年7月1日に新しい会計システムの稼働を開始しました。

導入プロジェクトの中で、苦労したことは何かありますか。

要件定義の段階で作成されたドキュメントに関して、データフローなどの細部の作り込みに課題を感じました。レベルを上げてシステム間の連携含め解像度高くプロジェクトの全体像を把握しなければ、後続フェーズに影響し、品質も懸念されます。JBS との協議を重ねる中で、JBS には当社の課題感や懸念を真摯に受け止め、すぐにメンバーを増強してくれるなど協力していただきました。要件定義後も、テストフェーズでの品質課題などで苦しい状況が続く時期もありましたが、JBS に更なる改善を実施していただいたことで、無事リリースすることができました。

  • 新しく構築したシステム

    新しく構築したシステム

  • 【導入効果】
    月末締め処理のパフォーマンスが大幅に向上

    まだ稼働して間もないですが、どのような成果を感じていますか。

    株式会社MonotaRO エンタープライズビジネスエンジニアリング部門 会計グループ 後藤 賢二氏

    株式会社MonotaRO エンタープライズビジネスエンジニアリング部門 会計グループ
    後藤 賢二氏

    これまで 3回の月末締めがありました。まだ改善の余地があるものの、主目的であったパフォーマンスは大幅に向上しており、一例として、ある得意先に関する売掛金の消込処理については約 2時間から 10分強まで短縮されました。さらにトランザクションが増えていったとしても処理スピードを保ち、高い生産性を維持することが大切ですので、SAP の真価に期待しつつ注意深く運用していきたいと思います。

    SAP の導入は⼤量のトランザクションへのストレスのない対応が主目的でしたが、「入金消込におけるパターンを意識した、基幹システムと会計システムのより細かい粒度でのデータ連携」「紙⽂書を電子化し、会計伝票と紐付けられる仕組み」、「予算作成時と同水準の粒度で実績データを手間なく取り出し、予実比較の生産性を向上させる仕組み作り」等も視野に刷新しました。その甲斐あって、大企業の売掛金の消込処理の作業プロセスも新システムではよりシンプルな形にできたと思います。また、SAP を核に周辺のシステムと連携も進み、ペーパーレス化をはじめとするさまざまな効果が表れてきています。

    【今後の展開】
    SAP 導入による決算処理の迅速化をきっかけに顧客や自社の業務効率化に貢献するチャレンジへ

    今後に向けた計画や構想をお聞かせください。

    トランザクション量の増加への対応は、SAP が持つ価値の一部であると考えています。今後は SAP 導入の効果をさらに高めるよう、効率化に向けた取り組みを進めていきたいと考えています。

    またスケール対応は今後のビジネス成長を担保していくのに当然必要ですが、今後はさらに踏み込んだチャレンジによって、顧客や当社担当者の業務効率化を推し進めたいと考えています。当社の行動規範に、「お客さま、関係者および自らの時間資源の大切さを意識する」ということがあり、「お客さまが購買に費やす手間を省き有限な時間を本業に傾けられるように企業努力を続けます」と明記しています。例えば、面倒な入金消し込みをデジタルインボイスによって自動化させるのも、その一つだと思っています。

    せっかく SAP を導入しましたし、その過程で業務プロセスを精査し、整理することができました。締め処理の改善は刷新による効果の一つの側面に過ぎません。今後、より効果の高い改善活動を行うためのベースにしていこうと考えています。

    【JBS への評価】
    議論するだけでなく実行に移し、最後まで一緒に走りきる姿勢を評価

    プロジェクトを総括し、JBS に対する評価をお聞かせください。

    MonotaRO x JBS 集合写真

    まずは多くの苦難がありましたが最後まで一緒に走りきっていただき導入プロジェクトを無事に終えられましたこと本当に感謝しています。
    途中、品質等に課題が見つかり厳しい意見をストレートに伝えることもありましたが、それが道理にかなったことであれば素直に受け止め、体制強化を含め改善に向けて社をあげて対処頂く姿勢には感心させられました。だからこそ信頼して厳しい道のりも共に前を向き進むことができました。
    また、JBS のプロジェクトマネジメントのメンバーは、どうすれば開発や業務の現場がより生産性高く働きやすい環境になるのかを我々とディスカッションしながら、その実現に取り組んでいただけました。
    各レイヤーで密に連携しながら一体感を持ってプロジェクトを遂行できたことで納期を守るための多くの苦しみを乗り越えることができました。本当にありがとうございました。

    JBS 担当者からのコメント

    SAP ソリューション事業本部 SAP アプリケーション部 宮川 正克

    MonotaRO様と一丸となって取り組んだ結果、システムの本稼働を迎えられました。大変感謝しております。
    今後は、システム利用における課題解決に向けて取組みさせていただきますので、引き続き、宜しくお願い致します。

    SAP ソリューション事業本部 SAP アプリケーション部
    宮川 正克

    SAP ソリューション事業本部 SAP アプリケーション部 ERP 2グループ 神田 尋史

    幾度とあった危機を共に乗り越えての本稼働大変感謝しております。SAP を導入した結果、業務負荷が軽減できたとのお言葉を現場のご担当者さまから直接伺うことができて大変うれしく思っております。
    今後も運用面でのサポート、ならびに、より使いやすいシステムをご提供できるように尽力していきます。

    SAP ソリューション事業本部 SAP アプリケーション部 ERP 2グループ
    神田 尋史

    株式会社MonotaRO

    代表者:代表執行役社長 鈴木 雅哉
    本社所在地:大阪府大阪市北区梅田3丁目2番2号 JPタワー大阪22階
    設立:2000年10月
    資本金:20億4,200万円
    事業概要:インターネット等を利用した、事業者向け工場・工事用、自動車整備用等の間接資材の通信販売

    2023.11.30公開

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