内製化支援事例

読売新聞東京本社

社内のデジタル事業を加速するべく内製化を決断
受発注の関係を超えたパートナーシップでプロジェクトを効率的に推進

内製化支援事例 読売新聞東京本社
業種 メディア・広告・エンターテインメント
テーマ DX・内製化

(左から)読売新聞東京本社 メディア局 企画開発部 山本 穂高氏、加藤 浩一氏、深谷 大延氏

IT 人材不足でデジタル事業推進に課題 JBS とのパートナーシップを通して、開発内製化の土壌となる人材育成を強化

読売新聞東京本社メディア局(以下、読売新聞)では、IT 人材が不足していたことから、デジタル事業の推進に課題がありました。そこで、開発の内製化を実現すべく、JBS にその支援を依頼。オンライン記事配信システム「ポラリス」を 2020年から JBS と共同開発するとともに、JBS との相互出向を行うことで、IT ノウハウ・知見の共有と、人材交流によるパートナーシップの強化を目指しました。

【会社概要】
デジタル配信を担う新システム「ポラリス」の開発と内製化促進

読売新聞メディア局についてご紹介ください。

140年以上の歴史がある読売新聞は、東京、大阪、福岡の全国 3箇所に本社を置き、紙の新聞やデジタル媒体を通じて、正確な情報を全国に向けて発信しています。各本社においては、報道部門、広告の営業や編成・制作を行う広告部門、新聞販売部門、記事の入稿から印刷、発送までのシステム構築や運用などを担当する技術部門、展覧会やスポーツイベントなどを主催する事業部門、人事・総務や経理の部門などが置かれており、東京本社にはデジタルサービス部門(メディア局)が設置されています。

メディア局では、読売新聞の Web 版「読売新聞オンライン」のほか、「発言小町」「ヨミドクター」などさまざまなデジタル事業を展開しています。

【選定理由】
受発注の関係をやめて、同じ目線で課題に取り組む

開発の内製化を決めた背景を教えてください。

読売新聞東京本社 メディア局 企画開発部 次長 加藤 浩一氏

読売新聞東京本社 メディア局 企画開発部 次長
加藤 浩一氏

当社では、次の 3つの大きな課題に直面していたことから、技術力の向上と開発体制の強化を早急に行う必要がありました。1つ目は「デジタル事業を機動的に展開する」こと。2つ目は「全社的にシステムを効率化する」こと。3つ目は「コストを削減する」ことです。

ご存知のように当社は新聞社であることから、IT 系の社員は決して多くありません。そのため、今までのシステム開発はどうしても外注に頼らざるを得ず、開発コストとランニングコストが高くなりがちでした。また、開発は要件定義の部分から外注先とやりとりを進める必要があり、スピード感の欠如にもつながっていました。

当社の課題を解決に導き、デジタル事業を推進するためには、外注ではなく自社で開発する体制や、それを支える技術力を磨く必要がありました。リーダーになれる IT 技術者を育成し、外注依存の悪循環から抜け出すことで、社内にノウハウを残しながらコストを削減していくことをテーマに、開発の「内製化」に着手することに決めました。

当社の内製化は、これまで Web サイトやスマホアプリの開発にとどまっていましたが、JBS との最初の取り組みとして、2020年4月から業務システムの内製化を目的とした「読売新聞の記事を配信するポラリスシステムの開発プロジェクト」が始動することになります。

内製化支援のパートナーに JBS を選定した理由を教えてください。

JBS を選定した理由は 3つあります。1つ目は、ベンダーニュートラルであること。2つ目は「日テレITプロデュース」を作ったという信頼に足る実績。そして 3つ目は、社員の 8割がエンジニアで構成される技術者集団であることです。

JBS に内製化支援を依頼する過程で、大きく印象に残っていることがあります。それは「受発注の関係をやめて、同じ目線で課題に取り組みましょう」と JBS から提案があったことです。開発をスピーディーにするのはもちろんのこと、責任分界点に関する問題が発生するのを未然に防ぎたかったという思いもあり、この提案は魅力的でした。これが、JBS をパートナーとして選定した決め手にもなっています。

同じ目線でお互いを認め合ってリスペクトしていくことによって、JBS とは深い信頼関係を築いていきたいと考えました。

相互出向を決めた理由についてお聞かせください。

ポラリスプロジェクトにおいては、JBS 社員が常駐および出向し、読売新聞の開発メンバーとともにシステム開発に取り組みました。同時に、読売新聞の社員も JBS へ出向し、社員として JBS が受注している案件に関わることとなりました。この相互出向には、内製化を促進するほか、JBS との人材交流を通して、当社の若手メンバーを育成するという大きな目的があります。

【効果】
JBS 出向で自身の成長とともに、両社の弱点も補完しあえる関係に

相互出向によってもたらされた効果を教えてください。

今回の相互出向で、お互いの社の文化の違いを知ることができたのも大きな収穫です。読売新聞の社員はシステムインテグレーターとして、JBS の社員はシステム開発を依頼する顧客の立場で、それぞれ自分たちからは見えていなかった側の業務に就いたことは貴重な経験になりました。

例えば、JBS 社内では、読売新聞の出向メンバー主導のもと、顧客とベンダーの双方が納得できる議事録の書き方の講義や、顧客から見積もり提出の依頼があった場合、適切な粒度、構成で見積もりを作成できるよう、依頼の背景を考え適切な見積りのあり方を考える勉強会を開催することもありました。このように異なる背景を持つ両社が、互いの経験をもとに弱点を補い合うことで、強みとなる部分の底上げに貢献できたのではないかと思っています。

読売新聞東京本社 メディア局 企画開発部 次長 深谷 大延氏

読売新聞東京本社 メディア局 企画開発部 次長
深谷 大延氏

【今後の展開】
技術力向上に向けて人材交流を継続

内製化支援における今後の展開について教えてください。

読売新聞東京本社 メディア局 企画開発部 次長 山本 穂高氏

読売新聞東京本社 メディア局 企画開発部 次長
山本 穂高氏

今回の人材交流によって、JBS に期待していたことはほぼ実現できたと思っています。

これまで読売新聞の社員 3人が、それぞれ 1年 ~ 2年ほど JBS に出向でお世話になったのですが、人間として一回りも二回りも大きくなって帰ってきたように思います。「井の中の蛙」では成長に限界があるため、今後も、自分の知らない世界に足を踏み入れていって、場所が変わってもそこで成長していけるような人材を育成したいと考えています。今後も内製化支援や人材交流を継続し、技術力のさらなる向上、そして体系的な教育体制の構築を目指していきます。

【JBS への評価】
培った知見・ノウハウを生かした技術支援と前向きな姿勢に感心

JBS への評価をお聞かせください。

ポラリスの開発には 10人以上の JBS メンバーが参画してくれましたが、同じ職場で働いて同じ目標に向かっている「仲間」としてワンチームになることができたと思います。チャレンジングな案件に対し、JBS の常駐メンバーが非常に前向きに提案、および技術的な支援を行ってくれたことが印象的でした。新しいことにもチャレンジしようという姿勢のもと、当時まだ事例の少なかった「マイクロサービスアーキテクチャーパターン」を新たに採用しました。これはシステムの設計から基盤までを Microsoft Azure 上に作るというもので、情報や事例の少なさに加え、新聞社の記事配信システムという業務要件が厳しく大変なプロジェクトでした。若いメンバーが多い中でも、誰 1人折れることなく困難を乗り越えてくれ、ある種の団結力も芽生えたと感じています。

集合写真

内製化に向けて現在一緒に働いてもらっている JBS メンバーも含め、企画開発部にいるメンバーには、イキイキと仕事に取り組んでほしいと思っています。そのためにも、これまで以上に JBS にはご支援いただきたいです。

JBS 担当者コメント

クラウドビジネスソリューション本部 副本部長 柏木 雄一

私の部署は、JBS に出向された読売新聞様のメンバーを受け入れる立場でもありました。出向された皆さんは、自分ごととして常にプロジェクトの成功を目指すだけではなく、その中で JBS の若手メンバーをどのように成長させるか、ということを常に意識してくれていました。その前向きな姿勢は、若手メンバーに大きな刺激になったと思います。私も含め、仕事に対する取り組み方を学ばせていただく機会にもなりました。また、我々は、システムを利用するユーザーの方々、つまりお客さまが、どのようなことを考えているのか、何を求めているのかを実際に腹を割ってお話しできる機会はそれほどありません。読売新聞様からの出向メンバーは、他のお客さまのプロジェクトにも参加していましたが、プロジェクトのあらゆる局面でお客さまの立場を想像し、その考え、背景を我々に解説していただきました。出向メンバーの受け入れは、実際の業務を通じて、顧客の考えも同時に学べる非常に貴重な時間となっています。

クラウドビジネスソリューション本部
副本部長 柏木 雄一

通信・メディア・サービス・公共本部 メディア・エンターテインメント部 2課 橋垣 将大

内製化支援の取り組みについては、読売新聞様のご協力があったからこそ、ここまで至ることができたと思っています。さらなる発展・異次元の成長に向けて、JBS としては体制の強化を図り、より一層会社の垣根を超えた取り組み(人材交流等)を行い、読売新聞様にとって信頼できる No.1 パートナーとなれるよう尽力して参りたいと思います。

通信・メディア・サービス・公共本部 メディア・エンターテインメント部 2課
橋垣 将大

株式会社読売新聞東京本社

代表者:代表取締役社長 山口 寿一
本社所在地:東京都千代田区大手町1-7-1
創刊:1874年11月2日
資本金:10億円
従業員数:2,885名(2022年4月現在)
事業概要:新聞発行の事業を中心に、スポーツ、エンターテインメント、文化などの各種事業を展開

2023.01.26公開

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