そのほかコスト面などについて、どういった効果が得られたかを教えてください。
PBX を購入する場合に比べて、コスト面でもメリットがありました。PBX の購入費そのものが無くなるため、初期費用が大幅に削減できました。
保守費用についても、PBX を保有している場合は電話機を移設したり内線番号を変更したりするたびに、少額とはいえ費用が発生します。従来、本社ビルだけでも年に 70 万円前後かかっていた費用がクラウド PBX ではゼロになります。今後、他の拠点に展開すれば、このコスト効果はさらに大きくなるでしょう。
また、電話機も従来は 200 台以上ありましたが、比較的安いハンドセットに変えたことで、端末の購入費も削減できています。
そしてもう 1 つ、クラウド PBX が、BYOD(私物端末の業務利用)を実施する助けにもなりました。従来、管理職を中心に 50 台近くの携帯電話を会社から貸与していたのですが、この 6 月から、基本的には個人のスマートフォンを利用するかたちに切り替えました。
BYOD を行う場合に障害になるのが、私用の電話番号を仕事の相手に開示しなければならないこと、業務用の電話の通話料が自己負担になってしまうことの 2 点です。クラウド PBX の環境になったことで、会社から支給したダイヤルイン番号で受発信ができるようになりました。私用の番号を開示する必要がなく、通話料も分計できます。
これによって社員の理解が得られたことで、BYOD を推進できました。貸与する端末数は 8 割程度も削減できています。