ゼロベースによるシステム構築事例

地中空間開発株式会社

インフラ構築からアプリ選定、開発、機器調達まですべてをワンストップで支援し、情報システム環境を短期構築

UGITEC 地中空間開発株式会社
業種 製造・ヘルスケア
テーマ
  • クラウド活用
  • セキュリティ
  • 運用管理
製品パートナー マイクロソフト

地中空間開発株式会社 管理部長 吉田 陽一 氏

マネージドサービス活用を見据えた SI で
ゼロトラストを意識した高度なセキュリティ対策を実施

川崎重工業株式会社(以下、川崎重工業)と日立造船株式会社(以下、日立造船)のシールド掘進機事業を分社化、合併して誕生した地中空間開発株式会社(以下、地中空間開発)は、2021年10月1日の発足に合わせて IT インフラ環境をゼロベースで構築しました。新会社設立までの限られた時間の中、JBS がインフラの提案からアプリケーションの選定、システム開発、パソコンや複合機など機器の調達までを一括して担当し、マイクロソフトのクラウド製品群を中心に、最新のゼロトラストセキュリティ対策を実装した環境を実現しました。営業開始後も JBS のマネージドサービスを活用して、システム運用とセキュリティ対策を効率化しています。

【会社概要】
トンネルの掘削に欠かせないシールドマシンを世界中に納入

地中空間開発についてご紹介ください。

地中空間開発は、川崎重工業と日立造船が 50% ずつ出資して、2021年10月に誕生したシールドマシン事業の新会社です。シールドマシンは、地中に道路や鉄道、電線や水道管を通すためのトンネルを掘削する機械であり、地中空間開発はその設計と販売に関する事業を展開しています。

取り扱うシールドマシンは小さなものでは 2 ~ 3 メートル、大きなものでは 17 ~ 18 メートルと多岐にわたり、英仏を結ぶドーバー海峡の海底トンネルや東京湾アクアライントンネルなどに、当時の世界最大級のマシンを多数納入してきた実績を持ちます。地中空間開発では 2 社が得意とする分野の技術を組み合わせて、国内のみならず海外向けに事業を拡大していく方針です。

【利用状況】
Microsoft 365 E5 を中心にフルクラウドで構築

今回、JBS が導入および運用を支援したシステムとサービスについて教えてください。

基本的にシステムは、マイクロソフトアーキテクチャで構成されています。Microsoft Office 製品やコミュニケーション基盤および認証、セキュリティ周りは Microsoft 365 E5 を中心に構成し、そこに会計システムやクラウドストレージをはじめとする SaaS 製品を活用して、フルクラウドでシステムを構築しています。

オフィスには UTM を設置して物理環境のファイアウォールやマルウェア対策を実施するとともに、全社員にパソコンとモバイル端末を配布してゼロトラストセキュリティ環境を構築し、リモートワークにも対応しました。新システム稼働後も JBS の担当の方に常駐してもらい、システム運用やセキュリティ監視も委託しています。

  • 全体システム概念図

  • 【導入の背景】
    事業開始までの 4か月での短期構築が絶対条件

    新システム構築における課題を教えてください。

    システム構築にかけられる時間は 4か月強しかなく、システム以外にもパソコンや複合機といったオフィス機器の調達まで、全社員が事業を始められる IT 環境を整えなければなりませんでした。

    また、出資比率が 50% ずつの合併会社であり、それぞれ異なる業務フローの融合を前提としていたため、どちらか一方の IT インフラを使わせてもらうというわけにもいかず、システムもネットワークも新しく立ち上げて仕組みを整える必要があったのです。

    さらに、新会社で間接業務を担うバックオフィス部門の人員のうち、情報システム関連の専任者は親会社から派遣されないことが最初から決まっていたため、新会社運営開始後に IT 業務を担当する人員も確保しなければなりませんでした。

    システム構築にあたって検討された内容はどのようなものでしたか?

    IT 予算を抑えるという要件も当然ありましたが、何より 2021年10月1日の新会社発足までにシステム構築を間に合わせることが必須でした。そのため新システムでは、親会社のような作りこみをするのではなく、クラウドサービスを活用するという形になりました。

    新会社ではサーバールームを独自に設けるようなスペースや、それをメンテナンスする人員を自前では持てないということで、システム構築やデバイスの調達だけでなく、発足後も常駐スタッフとして運用をサポートしてもらうところまでを含めて、IT ベンダーの方々に支援していただくことを前提として検討しました。

    さらにもうひとつ、セキュリティ対策に関しては親会社が政府調達系の事業をしていることもあって要件が非常に厳しく、サプライチェーンに属する地中空間開発も同等の高いレベルに合わせて構築する必要がありました。

    【構築のプロセス】
    親会社の IT チームと JBS が連携して構築し、事業開始後は JBS 担当が常駐

    システム導入プロジェクトはどのような流れで進められたのですか?

    地中空間開発株式会社 管理部長 吉田 陽一 氏

    地中空間開発株式会社 管理部長
    吉田 陽一 氏

    システム構築は外部の IT ベンダーに委託し、新会社発足までは、システム設計から構築まで親会社の IT 部門がサポートをするという形で進めました。そこで双方の親会社の IT 部門が集まって IT 部会を作り、専門部隊が協議をしながら新会社にどんな IT の設備を入れ、どのようなネットワークを構築していけばよいか話を詰めていき、そこから IT ベンダーの選定に入りました。

    2021年5月にベンダーを選定し、その後 JBS にお願いすることになってから 5月下旬に要件定義のフェーズに入りました。業務アプリケーションについては業務プロセスや要求事項を伝えつつ、JBS のパートナーに支援をしていただきながら、最終的に JBS の提案に基づいてマイクロソフトアーキテクチャを中心に IT インフラを選択し、一通りシステムやデバイスを揃えてもらいました。

    その後も JBS の数名に常駐を依頼し、業務を行う過程でセッティングや調整、現場への教育、ヘルプデスク機能を担ってもらいつつ、足りない機能やアプリケーションの追加導入を進めていったという流れです。

    【選定の理由】
    ベストプラクティスを踏まえた先回りの提案を高く評価

    JBS に IT インフラの構築および運用支援を任せるに至った経緯を教えてください。

    以前から親会社でお付き合いがあった、業界トップクラスの大手 IT サービス会社や親会社グループの情報子会社など数社にお声がけをしました。こちらが提示した条件が厳しすぎてお断りされてしまった企業が多かった中で、JBS は最初に提案をしていただいた際に、コンサルティング的な形でこうしたほうが良いとこちらの意図を組んで先回りをして、具体的な方式までを盛り込んで提案してくれたのです。

    また、JBS は、これまでの導入実績やベストプラクティスを踏まえて、イメージできるような形で提案してくれたため、導入後の運用が明確化しました。さらに稼働後のシステム運用まで、一気通貫でサポートしていただけるということだったので、JBS に IT インフラやアプリケーション、デバイスの選定から構築や調達、プロジェクトの管理、稼働後の運用まで全てお願いすることにしたのです。

    【導入効果】
    マイクロソフト製品で統一し、ワンストップでの業務を実現

    システムの導入効果について教えてください。

    業務 IT 基盤がマイクロソフト製品で統一されたことで、社員間のスケジュール確認や調整、会議資料の作成と共有、Web 会議の開催まで、効率的にワンストップでできるようになりました。

    どこにいても安心して働けるようにゼロトラストに基づいたセキュリティ対策をしているので、リモートワーク推進も可能になっています。社員に配布したモバイル端末に業務アプリを入れてあるので、ニューノーマルなワークスタイルに対応できるようになりました。

    一方で、システムがクラウドサービスで構成されているために、アプリケーションのつくりが親会社のような自社の業務に最適な形になっているとは言い切れません。実際にスモールスタートで始めてみて、想定していたものでは機能面で足りないケースや新たな SaaS やオプション機能を追加したこともありました。今後は、社員からの要求に対して、業務システムの使い方や仕組みを改善していけるように、引き続きご協力いただきたいと考えています。

    【今後の展望】
    調達用の EDI システムや RPA 導入で業務の効率化を目指す

    今後の IT 活用の展望について教えてください。

    今後は、親会社で構築していたような調達系の EDI の仕組みを、スモールスタートで導入していく計画です。また、Microsoft Power Platform を活用して、RPA 化を進めていくことも検討しています。その際には JBS の教育支援サービスの利用も視野に入れつつ、それぞれが自身の業務を効率化していければと考えています。

    また、本業のシールドマシン事業領域でも、AI や IoT を活用した製品開発の高度化にも取り組んでいくとともに、JBS には引き続き提案や支援をいただきたいです。

    【JBS への評価】
    厳しい条件下でのシステム構築をトラブルなく遂行

    JBS に対する評価をお聞かせください。

    JBS には、時間や予算に厳しい制約があった中で一から業務システムを立ち上げていただき、とても感謝しています。稼働後にお任せしているシステム運用やセキュリティ対策の面でも特に問題は発生していません。

    また、統合プロジェクト時の IT チームのメンバーや経営層からも、「良く対応してくれた」「丁寧に対応してくれている」という感謝の言葉をもらっています。JBS にはこれからも、良き伴走者としてサポートいただけたらと思います。

    (左から)日本ビジネスシステムズ株式会社 クラウドソリューション事業本部 西日本クラウドソリューション部 3グループ 髙市 信寛、西日本事業本部 第1営業部 林 晋佑、地中空間開発株式会社 管理部長 吉田 陽一氏、日本ビジネスシステムズ株式会社 クラウドソリューション事業本部 西日本クラウドソリューション部 3グループ 福家 享二

    JBS 担当者からのコメント

    西日本事業本部 第1営業部 林 晋佑

    今回ご相談をいただいてから約 4か月強での IT インフラ環境の構築と基幹システムの導入を同時に進めさせていただいたのは、私どもにとっても経験が少なく、その中でプロジェクト開始をしたことは少なからず期日に間に合うか懸念はありました。しかし、ゼロベースでの新規構築で JBS を信用と信頼いただけたこと、またコミュニケーションロスもなく新会社のあるべき姿をプロジェクト関係者で共有できていたことが、今回のプロジェクトの成功要因と考えております。

    西日本事業本部 第1営業部 林 晋佑

    クラウドソリューション事業本部 西日本クラウドソリューション部 3グループ 福家 享二

    地中空間開発さまの会社立ち上げに貢献できたことを大変光栄に思います。短期間で一からの IT インフラ環境構築でありましたが、皆さまのお力添えをいただいたことで、無事に使い始めていただくことができました。今後もさまざまな分野でご支援させていただけるよう尽力してまいります。

    クラウドソリューション事業本部 西日本クラウドソリューション部 3グループ 福家 享二

    地中空間開発株式会社(略称UGITEC;ユージーアイテック)

    代表者:代表取締役社⻑ 平⼭ 真治
    本社所在地:大阪府大阪市北区堂島1丁目5-30 堂島プラザビル3F
    資本金:480百万円
    事業概要:トンネル掘削機事業(シールド掘進機、トンネルボーリングマシン)、および⼟⽊機械等の部品の設計、開発、修理ならびに販売に関する事業等

    2023.04.18公開

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