【 効果 】
利用者と開発者が相互に理解を深めながら、思い通りの機能やサービスを実装
アジャイル型の開発アプローチで開発を進める上で、不安などはありませんでしたか。
新しい取り組みに対する期待感もありましたが、これまで経験したことのない開発アプローチでしたので、不安がなかったわけではありません。今となっては笑い話ですが、最初の開発サイクルで作られたプロダクトはログイン画面しか動かないようなものだったので、とても驚いたことを覚えています。
また、従来とは納品の概念が異なることから、業務委託契約などに関して双方の担当者で詳細なやり取りが必要な場面も少なからずありました。
しかし、実際の開発が始まると、JBS の担当エンジニアとオペレーションに関わる Honda 側のスタッフとが直接意見交換をしながら、使い勝手を確認し、機能やサービスを進化させていきました。これによって自然とチームメンバー間に一体感も生まれ、今回のシステム開発は上手くいきそうだという確信を持てるようになりました。
これまでの開発アプローチでは、コンサルタントの意見なども参考にしながら事業部門が機能仕様を決めて、それをシステム仕様に落とし込んでもらい、社内の担当部門が外部のベンダーの支援を受けて開発し、機能を確認するという手順を踏んできました。そのため、現場での技術的な理解度や開発現場での業務理解度が低く、お互いに積極的な意見交換ができず、思ったように機能を実現できないこともありました。また、一度機能要件を決めてしまうと、それを変更するのは容易ではありませんし、途中から機能を追加するのも簡単なことではありません。
今回はアイデアや意見があれば開発プロセスですぐにテストすることができ、小さな単位でPDCAを繰り返すことができました。変更や追加が発生しても、メンバー全員が一体となって解決するための手段を探るという開発サイクルが生み出され、後ろ向きな妥協やあいまいさを排除することにもつながりました。