【開発の経緯】 銀行業務のデジタル変革を推進する起爆剤として、店頭のペーパーレス化を提案
左より、株式会社三菱総合研究所
金融イノベーション本部
金融テクノロジーコンサルティンググループ
主席研究員 リーダー 河内 善弘 氏、
コンサルティング部門 金融イノベーション本部長
参与 PMP 榎本 亮 氏、
金融イノベーション本部 研究員
天野 厳斗 氏
システムの提案および開発プロジェクトをご担当された株式会社三菱総合研究所のみなさまに伺います。システムを開発した経緯を教えてください。
2018年の年明けに七十七銀行様からご連絡をいただき、同年6月に開設する店舗のコンセプトにあった提案をしてほしいという要望を受けました。
非常に短期間での開発となるため、正直自信はありませんでしたが、普段、七十七銀行様に限らず金融機関が時代に合わせて変わることは重要で、速度感を重視して変革を進めるべきだと訴え続けてきた立場もありますので、自分たちがそれを具現化しなければならないという使命感もありました。
そこで、すぐに JBS にも声をかけ、何ができるのかを一緒に考えることとなりました。
ただし、七十七銀行様にお願いしたのは、提案内容に関しては確実に実現できるというレベルから、時間や技術、コストといった制約から実現可能か確証が持てないレベルのものまで、幅を持たせた提案をさせていただくこととし、ご了承をいただいたうえで開発を進めました。
今回のシステムであれば、「電子帳票手書き記入」システムは前者。「自動キーボード入力」システムは後者となります。ただし、2つのシステムは結果的にこのような形になりましたが、基本的には一連の業務の流れとして捉えていました。
なぜ、タブレット端末による電子帳票手書き入力という発想にいたったのでしょうか。
株式会社三菱総合研究所
コンサルティング部門 金融イノベーション本部長
参与 PMP 榎本 亮 氏
七十七銀行様に限らず、国内の銀行や金融機関ではこれまで長年にわたりシステムに大きな投資をしてきています。そのレガシーな資産が、フィンテックなどとの連携などデジタル変革の足かせとなるケースが数多く見られます。
一方、店頭に紙がある限り業務自動化は進まないわけですから、紙を無くす、すなわちペーパーレス化を実現することが、デジタルトランスフォーメーションの起爆剤となるのではないかと考えました。
また、七十七銀行様ではデジタル技術を活用して、小規模で収益性の高い店舗を運営しようとした新しい取り組みに挑戦しようとしているわけですから、特定の業務だけを効率化するようなものではなく、預金から貸出しまで業務全体の効率化や生産性向上に波及していく効果も高いと考えました。