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電子帳票手書き記入システム開発事例

株式会社七十七銀行

RPA や手書き入力など既存テクノロジーの応用と組み合わせにより約 2か月間の超高速開発で実用レベルのフィンテックサービスを実現

電子帳票手書き記入システム開発事例 株式会社七十七銀行
業種 金融・保険
お客様の課題 顧客接点の強化
業務効率化

東北地方最大級の地銀と名高い株式会社七十七(しちじゅうしち)銀行(以下、七十七銀行)。創業140周年となる2018年には新たな中期経営計画「『For The Customer & For The Future』 ~ベスト・コンサルティングバンク・プロジェクト~」をスタートさせている。同中期経営計画内では目指すべき銀行像として「お客様のニーズに最適なソリューションでお応えする『ベスト・コンサルティングバンク』」を掲げており、コンサルティング業務に注力するための人員・時間の確保に向け、IT 化・ペーパーレス化を促進している。その一環として、タブレット端末に手書き入力した情報を、自動で営業店端末機に転記するシステムを約2か月間で開発。実店舗において、一部機能の利用を開始している。

【システム概要】手書きで記載した帳票の情報を、勘定系システムの端末に自動入力するシステムを開発

今回、JBS が開発をサポートしたシステムの概要と利用状況について教えてください。

写真左より、 七十七銀行 総合企画部 企画課 副長 湯瀬 真悟 氏、 事務統轄部 調査役 芳賀 和彦 氏、 事務統轄部 事務企画課 副長 大沼 恵 氏
写真左より、
七十七銀行 総合企画部 企画課 副長 湯瀬 真悟 氏、
事務統轄部 調査役 芳賀 和彦 氏、
事務統轄部 事務企画課 副長 大沼 恵 氏

Windows タブレット端末上の電子化した伝票・帳票への手書き入力から、帳票記載情報を営業店端末機、すなわち勘定系システムへと入力する一連の業務を自動化するシステムとなります。 銀行の窓口では預金や振込などの際に伝票記入が必要となりますが、タブレット端末を使うことでお客様の手間を省くと同時に、行員の事務負担も軽減します。

システムとしては大きく「電子帳票手書き記入」システムと「自動キーボード入力」システムという2つに分かれていますが、現時点では2018年6月に開設した新店舗「蛇田支店のぞみ野出張所(宮城県石巻市)」の窓口業務における新規口座開設において、「電子帳票手書き記入」システムを利用しています。

「自動キーボード入力」システムに関しても開発は完了していますので、今後実店舗での運用に向けた検討を進めていく予定です。

各システムの動作イメージは次の通りです。

業務イメージ図
業務イメージ図

【電子帳票手書き記入】システム

  • タブレット端末上で手書き入力された文字を SkyPDF(スカイコム)を利用してデジタル変換します(キーボードによるテキスト入力も可能)。
  • 入力された帳票は窓口担当者による確認後、申込書類(既存の手書き用帳票と同一)として印刷されます。
タブレット帳票入力イメージ図
タブレット帳票入力イメージ図

【自動キーボード入力】システム

  • 帳票に入力されたデータはクラウドへアップロードされます。
  • 帳票自動入力ロボットを起動すると、あらかじめ準備したシナリオに沿って帳票入力データがクラウドから取得されます。
  • 取得されたデータは、ASCII コードと特殊キーの入力データに変換され、キーボードエミュレータ(営業店端末機に USB 接続)へ送信されます。
  • キーボードからの入力データとして、営業店端末機へと情報が自動入力されます(文字コードで送信されるため辞書変換が不要)。
自動キーボード入力の仕組み図
自動キーボード入力の仕組み図

【導入背景】2か月間という超高速開発で、実用レベルのフィンテックサービスを実現

七十七銀行 総合企画部 企画課 副長 湯瀬 真悟 氏
七十七銀行
総合企画部 企画課 副長 湯瀬 真悟 氏

システムの特長を教えてください。

実用レベルのフィンテックサービスを、「(1) 勘定系システムに追加・修正をすることなく」、「(2) 汎用的なテクノロジーの応用と組み合わせ」で、2か月間という「(3) 超短期間」で、「(4) 企画部門の主導」により、「(5) 既存のオペレーションを変えることなく」、実現したということが今回のシステムのポイントになります。

各項目について詳しく説明をお願いします。

それぞれの項目が多対多の関係でシナジーを生み出している部分も多いので、内容が重なる部分もあるかと思いますが、各項目について説明をすると次の通りとなります。

【特徴1】勘定系システムからの独立性

メインフレームなどで稼働している勘定系のアプリケーションを改修するとなると、大規模な費用や作業が発生します。それが可能であればタブレット端末のデータを直接取り込めるのですが、そうなると今回のように短期間で新たなサービスを導入することは難しくなります。

今回は直接データのやり取りをするのではなく、営業店端末に外付けキーボードを追加接続するのと同様の仕組みにより、情報として営業端末機にデータを自動で取り込む仕組みを実現することで、サービスの独立性を実現しました。この仕組みであれば他の業務画面はもちろん、Web アプリケーション等への展開も容易です。

【特徴2】既存テクノロジーの応用と組み合わせで実現

手書き入力技術や RPA だけでなく、Windows のタブレット端末やクラウド(Microsoft Azure)といった既存のテクノロジーを組み合わせてシステムを構築したことで、システムの調達や規模、開発・運用コストを最小限に抑え、スピーディーなサービスの展開が可能となりました。

【特徴3】超短期開発
七十七銀行 事務統轄部 調査役 芳賀 和彦 氏
七十七銀行
事務統轄部 調査役 芳賀 和彦 氏

既存の技術を採用したことで大がかりなシステム開発は不要となり、開発にかかった期間は2か月でサービスをリリースすることができました。

【特徴4】企画部門が主導し実現

これも既存技術の採用やシステムの独立性が大きく関係しているのですが、システム部門ではなく企画部門が主導する形で、短期間にサービスを実現できたことの意義も大きいと捉えています。

【特徴5】既存のオペレーションの変更なし

システム導入後も既存の業務フローに変更が不要で、仮にシステムが稼働しない事態が発生したり、システムに馴染めないお客様がいたりしても、紙媒体による受付が可能であるので、リスクが少ないという点も重要なポイントであり、教育負荷もほとんどかからないことも大きなメリットだと捉えています。

【ねらい】窓口の手続きを「セミ・セルフ型」端末で代替する新店舗に導入

七十七銀行 事務センター 事務統轄部 事務企画課 副長 大沼 恵 氏
七十七銀行
事務センター 事務統轄部 事務企画課 副長 大沼 恵 氏

システムを開発したねらいを教えてください。

少子高齢化や人口減少によるマーケットの縮小など、当行に限らず地方銀行の経営環境は厳しさを増す一方です。そのため、抜本的な経営の効率化やコスト削減をスピーディーに進めると同時に、新たなビジネスモデルを構築・実現していくという難しい舵取りが求められます。

そのような状況下、今回のシステム導入の直接的なメリットとしては、ペーパーレスを促進することによるコスト削減効果や古い版の帳票の利用や手交のリスクを回避できること。さらには銀行責任による入力ミスのリスクを排除できることなどが挙げられます。

また、同出張所は窓口の手続きを「セミ・セルフ型」端末が代替するスタイルを積極的に展開していく新型店舗です。タブレット端末を活用することでお客様の手間を省くと同時に、窓口に配置する人員を最適化し、相談業務を充実させるモデルケースともなりますので、システム自体が重要な使命を帯びていると言っても言いすぎではないかもしれません。

【利用現場の声】タブレットの端末が会話のきっかけとなり、ほとんどの顧客が違和感なく利用

左より、七十七銀行 蛇田支店 のぞみ野出張所 川田 真輝 氏、所長 菅原 芳隆 氏
左より、七十七銀行 蛇田支店
のぞみ野出張所 川田 真輝 氏、所長 菅原 芳隆 氏

システムを実際に利用されている七十七銀行蛇田支店のぞみ野出張所のみなさまに伺います。システムを利用したお客様の反応はいかがでしょうか。

高齢のお客様には積極的にお勧めしないこともありますが、新規口座開設のお客様の約7割がタブレット端末による入力をご利用いただいております。年齢や性別に偏りなどはなく、どのお客様からも好評です。むしろ、現段階ではこの「のぞみ野出張所」だけでしか使えないという説明をすると、積極的にご利用いただける方が多いです。

システムの使い勝手について感想をお着せください。

難しい操作が必要なわけではないので、お客様も私たちも違和感なく利用できています。お客様にとって新規口座開設の機会はあまり多くないと思うので意識していない方も多いかもしれませんが、紙の申込書だとお名前やご住所を複数箇所に記載いただく必要があるところを、タブレット端末では1回の書き込みで済むので、お客様の負担や記入時間は削減されていると思います。

業務への影響などはありましたか。

窓口でタブレット端末利用の説明をする様子
窓口でタブレット端末利用の説明をする様子

タブレット端末の操作方法の説明や端末自体の存在が、お客様との会話へとつながることも多く、以前よりも会話量が増えました。

また、これまで手書きの紙の場合は読めない箇所があったり、訂正印を押していただいたりすることもあったので、そのような確認ややり取りは不要となりました。手書きの申請書を見ながら営業端末機に入力するよりも、プリンタで印刷された文字を見ながら入力をする方が、ストレスも少なくスムーズに作業ができます。

今後、営業端末機への自動入力ができるようになったり、他の帳票でも利用できるようになれば、さらに業務が効率化され、その分、お客様とのコミュニケーションなどに振り向ける時間や気持ちの余裕ができると期待しています。

【開発の経緯】 銀行業務のデジタル変革を推進する起爆剤として、店頭のペーパーレス化を提案

左より、株式会社三菱総合研究所 金融イノベーション本部 金融テクノロジーコンサルティンググループ 主席研究員 リーダー 河内 善弘 氏、 コンサルティング部門 金融イノベーション本部長 参与 PMP 榎本 亮 氏、 金融イノベーション本部 研究員 天野 厳斗 氏
左より、株式会社三菱総合研究所
金融イノベーション本部
金融テクノロジーコンサルティンググループ
主席研究員 リーダー 河内 善弘 氏、
コンサルティング部門 金融イノベーション本部長
参与 PMP 榎本 亮 氏、
金融イノベーション本部 研究員
天野 厳斗 氏

システムの提案および開発プロジェクトをご担当された株式会社三菱総合研究所のみなさまに伺います。システムを開発した経緯を教えてください。

2018年の年明けに七十七銀行様からご連絡をいただき、同年6月に開設する店舗のコンセプトにあった提案をしてほしいという要望を受けました。

非常に短期間での開発となるため、正直自信はありませんでしたが、普段、七十七銀行様に限らず金融機関が時代に合わせて変わることは重要で、速度感を重視して変革を進めるべきだと訴え続けてきた立場もありますので、自分たちがそれを具現化しなければならないという使命感もありました。

そこで、すぐに JBS にも声をかけ、何ができるのかを一緒に考えることとなりました。

ただし、七十七銀行様にお願いしたのは、提案内容に関しては確実に実現できるというレベルから、時間や技術、コストといった制約から実現可能か確証が持てないレベルのものまで、幅を持たせた提案をさせていただくこととし、ご了承をいただいたうえで開発を進めました。

今回のシステムであれば、「電子帳票手書き記入」システムは前者。「自動キーボード入力」システムは後者となります。ただし、2つのシステムは結果的にこのような形になりましたが、基本的には一連の業務の流れとして捉えていました。

なぜ、タブレット端末による電子帳票手書き入力という発想にいたったのでしょうか。

株式会社三菱総合研究所 コンサルティング部門 金融イノベーション本部長 参与 PMP 榎本 亮氏
株式会社三菱総合研究所
コンサルティング部門 金融イノベーション本部長
参与 PMP 榎本 亮 氏

七十七銀行様に限らず、国内の銀行や金融機関ではこれまで長年にわたりシステムに大きな投資をしてきています。そのレガシーな資産が、フィンテックなどとの連携などデジタル変革の足かせとなるケースが数多く見られます。

一方、店頭に紙がある限り業務自動化は進まないわけですから、紙を無くす、すなわちペーパーレス化を実現することが、デジタルトランスフォーメーションの起爆剤となるのではないかと考えました。

また、七十七銀行様ではデジタル技術を活用して、小規模で収益性の高い店舗を運営しようとした新しい取り組みに挑戦しようとしているわけですから、特定の業務だけを効率化するようなものではなく、預金から貸出しまで業務全体の効率化や生産性向上に波及していく効果も高いと考えました。

【選定理由】 人材が豊富で、プロジェクトを進行する推進力にも期待

株式会社三菱総合研究所 金融イノベーション本部 金融テクノロジーコンサルティンググループ 主席研究員 リーダー 河内 善弘氏
株式会社三菱総合研究所
金融イノベーション本部
金融テクノロジーコンサルティンググループ
主席研究員 リーダー 河内 善弘 氏

なぜ、JBS に協力を仰いだのでしょうか。

私たちは、仕組みやシステムを導入する価値があるのか、意義があるかどうかを検証する PoV(Proof Of Value)の領域を担う立場になります。正直なところ、システムを実際に構築する力は強くないので、私たちが考えたものが本当に実現可能なのか、コストに見合った価値を得られるかを実証する PoC(Proof Of Concept)の領域に関しては JBS に任せたいと考え、協力を依頼しました。

JBS は、経験豊富なエンジニアから先進技術の学習能力が高い若いエンジニアまで人材が豊富で、必要に応じて最適なメンバーをアサインしてくれます。アサインされた各個人の能力や技術力も高く、プロジェクトを推進するプロジェクトマネージャーの実行力や統率力もあるので、安心してシステムの構築や運用を任せることができます。

また、独立系ベンダーなので特定のメーカーや製品による手かせ足かせがなく、良いものを最大限活用してもらえるという点も高く評価しています。

今回のシステムで採用した各製品について教えてください。

株式会社三菱総合研究所 金融イノベーション本部 研究員 天野 厳斗 氏
株式会社三菱総合研究所
金融イノベーション本部
研究員 天野 厳斗 氏

今回の仕組みでは、帳票入力のところに「SkyPDF(株式会社スカイコム)」というプロダクトを利用しています。 SkyPDF は手書き入力だけでなく、入力データを出力できる機能も利用しています。SkyPDF は文字認識能力が高く、SDK も提供されており、開発やアプリケーションからの PDF ドキュメントコントロールが容易で、金融機関における導入実績もあることから、安心して利用できると判断しました。

また、データ入力を行う仕組みとして RPA を利用しています。採用した「RPA MinoRobo(ミノロボ)(株式会社Minoriソリューションズ)」では、文字コードをキーボードエミュレータに渡し、テラー端末へ入力を行う部分を担当しているのですが、業務シナリオをブラウザ上で簡単に編集できるので、入力作業を忠実に再現しやすく、分岐なども反映できることから採用を決めました。

システム基盤として利用している Microsoft Azure に関しては、FISC の準拠状況が公開されており、契約面でも金融向けの枠組みが用意されている事から、金融機関における利用実績も急増しており、クラウドを使うのであれば Azure だと考えていました。また、JBS は最初期の頃から Azure の構築・運用の実績を積んできており、上述の FISC リファレンスの公開なども積極的に行っている事から安心して任せられるだろうと考えて採用しました。

最後に、端末ですが、これは窓口業務を行う事から、まず入力が自然に行える事が第一でした。採用した Surface Pro は4096段階という細かな筆圧検知ができ、非常に高いペン入力精度が決め手でした。また実機を確認したところ、画面も綺麗で、これであれば窓口にお越しいただくお客様にも違和感なくお使いいただけるだろうと考えて決定しました。

開発時に苦労したことなどはありましたか。

「自動キーボード入力」の仕組みは、当初、実現可能かどうか紆余曲折がありましたが、この仕組みで行けるとなったときは、今回のプロジェクトが上手くいくという確信を持つことができました。

【JBS への期待】 フィンテックをはじめとするデジタルトランスフォーメーションの活用推進に関する支援に期待

JBS への評価や期待があれば教えてください。

店舗のオープン日は決まっていたので、絶対に遅れることができない状況下で、JBS は最大限の対応をしてくれました。結果的に、当初、想定していたよりもレベルの高いシステムを実現でき、とても感謝しています。

今後も金融機関をとりまく環境が劇的に変化していくことは間違いありませんので、フィンテックをはじめとするデジタルトランスフォーメーションを活用を推進するために力を貸してもらいたいと思っています。

【JBS 担当者からのコメント】

JBS 事業企画本部 サービス企画開発2部長 福田 雅和
JBS 事業企画本部
サービス企画開発2部長 福田 雅和

元々、MRI 様からは「“民生品” で “スピーディー” に “金融ペーパーレス”を実現する」というビジョンのみのご相談をいただいていました。
金融のお客様からは想起しにくいキーワードが並んでいたので「これを実現できたら凄い事になるな」という感触はあったものの、反面「実施までいくのかな?」という疑問もありました。
没企画も沢山あり、迷走していた時期もあったのですが、年明けすぐに榎本様から今回の仕組みを実現できないか?というご相談をいただいた時に、「これは行ける」という確信に至ったのを今でも鮮明に覚えています。(福田)

JBS イノベーションサービス統括本部 エンタープライズイノベーション本部 クラウドサービス部 クラウドソリューション部 マネージャー 山本 暁
JBS イノベーションサービス統括本部
エンタープライズイノベーション本部 クラウドサービス部
クラウドソリューション部 マネージャー 山本 暁

今回の仕組みにはハードウェアが必要になる事は明らかでしたので、JBS のアプリケーションエンジニアでも実装できるようなプログラマブルなハードウェアを探して、シリアル通信を調べて概要設計するところまでは2日くらいでした。開発開始後はテラー端末の仕様や日本語の問題などハードルがいくつもありましたが無事に乗り越えられてホッとしています。
今回、お客様にこのシステムをご利用いただけるようになったことを本当に嬉しく思います。(山本)

株式会社七十七銀行

株式会社七十七銀行

代表者:
取締役頭取 小林 英文
本社所在地:
宮城県仙台市青葉区中央3-3-20
設立:
1878年12月9日
資本金:
246億円
従業員数 :
2,822人
事業概要 :
普通銀行業務

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