Microsoft 365 導入事例

HRガバナンス・リーダーズ株式会社

Microsoft 365 Enterprise E5 Security によるゼロトラストセキュリティがリモートワークを強力に支援

業種	流通・サービス・公共・その他
導入ソリューション	セキュアファイル転送アプリ metis fiebie（メティスフィービー）
テーマ	クラウド活用セキュリティコラボレーション
製品パートナー	マイクロソフトその他

（左から）HRガバナンス･リーダーズ株式会社コーポレートガバナンスR&D部コンサルタント高木悠氏、常務取締役（経営企画管理担当）対比地信雄氏、指名･人財ガバナンス部パートナー臼井淳氏

新会社設立にともなう社内システムをクラウド・バイ・デフォルト原則の方針で半年間で構築

企業のサステナビリティ経営を支えるコーポレートガバナンスに関する統合的なコンサルティングを専門に行う三菱UFJフィナンシャル・グループの新会社、HRガバナンス･リーダーズ株式会社（以下、HRGL）では、Microsoft 365 を中核に業務システムをオールクラウドで構築。ゼロトラストのセキュリティ環境によりリモートワークへのスムーズな対応を実現しました。

【会社概要】
企業のサステナビリティ経営を支援する HRGL

HRGL についてご紹介ください。

HRGL は、企業のサステナビリティとコーポレートガバナンスに関する統合的なコンサルティングサービスを提供する新会社として、三菱UFJ信託銀行株式会社の出資により設立され、2020年10月1日より業務を開始しました。

HRGL のコンサルティング業務は他のコンサルティング事業者とは一線を画すもので、サステナビリティ、戦略・リスク・監査、指名・人財、報酬の 4つのガバナンス領域を中心に展開。クライアント企業のコーポレートセクレタリ機能を担い、取締役会改革を通じたサステナビリティ経営を支援します。

短期間で終了するプロジェクトではなく、「深く、濃く、長い」クライアントとの信頼関係を築き、中長期的に企業価値を高めサステナブルな経営を実現する ESG（Environment、Social、Governance）、経営戦略、役員人財、報酬制度という統合的なストーリーを提案するコンサルティングサービスとなります。

具体的には、クライアント企業のパーパス実現に向けた、いわば会社の舵取りである「コーポレートガバナンス」について、取締役会が社会的な視点を持ってリーダーシップを発揮するためのアドバイザーとなり、クライアント企業の各種ガバナンス委員会などに参画。経営の執行（マネジメント）と監督（ガバナンス）の役割を明確化した上で、サステナビリティ視点で執行と監督を有機的に機能させることで、強靭な取締役会の実現に向けた支援を行っています。

【利用状況】
オールクラウドを基本コンセプトに新会社の業務システムを構築

今回、JBS が導入をサポートしたシステムについて教えてください。

会社の設立・業務の開始にともない社内の業務システム環境をゼロから構築したのですが、JBS にはそのサポートを全面的にお願いしました。

導入をサポートしてもらった主なシステムは、Microsoft 365 を中心に、Web セキュリティやメール誤送信対策、ファイル転送サービス、さらには IP 電話サービスや無線 LAN 環境の構築などとなります。

導入したシステムのポイントがあれば教えてください。

システムを設計するにあたり、生産性や業務効率を最大化すると同時に、導入や運用にかかる時間、負荷、コストを最小限に抑えるために、オールクラウドで構成することを基本コンセプトとしています。

Microsoft 365 を活用することで、ドキュメント作成やデータ分析といった作業環境や、社内外とのコミュニケーション環境、そしてエンドポイントやクラウドサービスの利用にともなうセキュリティ対策はほぼ実現できます。Microsoft 365 の機能をカバーする他のサービスも活用しており、たとえば、Microsoft Teams（以下、Teams）で大容量のファイルを外部と送受信できるようにするために、JBS が提供しているセキュアファイル転送アプリケーション「metis fiebie」を利用しています。

今後の展開予定などあれば教えてください。

具体的には決まっていませんが、Microsoft SharePoint Online（以下、SharePoint）を活用した情報共有環境の拡充をはじめ、Microsoft Power Platform による業務アプリケーションの開発、Microsoft Power Automate による自動ワークフローの活用、さらには Azure Information Protection によるセキュリティの強化（ファイルの暗号化）などを図っていきたいと考えています。

【導入背景】
限られた準備期間で、確実に業務を開始するためクラウドに精通している JBS に相談

JBS がシステム構築の支援をするにいたった経緯を教えてください。

2020年10月から業務を本格的に開始する予定で、半年前の同年 4月に会社が設立されました。当社は現在約 70名の社員がおりますが、そのほとんどがコンサルタントで、設立時から今もシステムの専任担当者はいません。

限られた期間でシステム環境を整備するため、当初から IT サポートベンダーに相談をしていたのですが、私たちの要件に見合う提案が上がってきませんでした。そのため、クラウドに精通したベンダーとして紹介を受けた JBS にも提案を依頼することにしました。

セキュアファイル転送アプリケーション metis fiebie の利用例

どのようなシステム要件を考えていたのでしょうか。

クライアントに高品質なアウトプット、すなわちドキュメントや資料を作成するための道具として、使いやすく生産性が高いツールであることが重要となります。資料は 1人で作るわけではなく、複数の担当者によるコラボレーションで完成させていきますので、そのためのフレキシブルでパワフルなコミュニケーションインフラが必要となります。

一方、導入や保守に縛られるサーバーや複雑なシステムは持ちたくなかったので、クラウド・バイ・デフォルト原則の方針は絶対でした。クラウドであれば、維持に人手やコストがかからず陳腐化もしませんが、システムの一部でもオンプレミスな環境があれば、クラウドのメリットは半減してしまうと考えていました。

そして、当社は銀行業務などは行いませんが、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として定められているセキュリティポリシーが求める厳しい要件をクリアしなければなりません。

【選定理由】
オールクラウドによるシンプルで未来志向のシステム提案に期待

JBS からの提案を採用した理由を教えてください。

HRガバナンス･リーダーズ株式会社常務取締役（経営企画管理担当）
対比地信雄氏

正直なところ、これまでグループの中でオールクラウドでシステムを導入・運用している例がなく、当初相談をしていたベンダーからもセキュリティも含めオールクラウド環境は難しいという提案を受けていました。その内容は悪いものではなかったと思いますが、現状と比較すると重厚長大で、運用などの負担にも不安を感じざるを得ませんでした。

一方、JBS は当社の方針や実現したいことをすぐに理解して、短期間でオールクラウドによるシンプルで未来志向のシステムを提案してくれました。疑問点や不明点があれば、すぐに解決策や詳細な説明を提示してくれましたし、担当者の対応もプロフェッショナリズムが高く信頼できました。

加えて、提案されたシステムのほとんどは JBS 社内でも実際に活用されているものなので、提案内容にも非常に納得感がありました。

そのほか、セキュリティ要件をクリアする提案だったこと。マイクロソフト製品に限らずマルチベンダー環境で最適なシステムを提案してもらえること。システムのカットオーバーまで明確なスケジュールが提示されていることなどを踏まえ、JBS へ全面的にサポートを依頼することにしました。

【導入効果】
生産性の向上、リモートワークへのスムーズな対応、導入コスト削減を実現

システムの導入効果について教えてください。

専任のシステム担当者がいなくても、短期間で業務に必要な作業環境やコミュニケーション環境、そしてセキュリティ環境を、業務開始日までに整備できたことが最大の成果だと捉えています。

また、使い勝手やレスポンスに対して非常にこだわりの強いコンサルタントからの評価も高く、「個人やチームでの生産性の向上」や「リモートワークへの対応」、「コスト削減」といった成果も上がっています。

HRガバナンス･リーダーズ株式会社指名･人財ガバナンス部パートナー
臼井淳氏

効果1：生産性向上

Microsoft Office と SharePoint によるドキュメントの共有や共同編集作業をはじめ、Teams によるビジネスチャットや PC とスマートフォンのシームレスな使い勝手は、生産性を大幅に向上させてくれます。
一方、アプリケーションへの安全なアクセス環境や、不正アクセスのブロック、不正な情報の持ち出しなどは防止されているので、安心して共同作業に臨むことができ、リモートワークが主体となった今、その便利さをより強く実感しています。

効果2：リモートワークへの対応

業務を開始したときからコロナウイルス感染拡大にともなうリモートワークを強いられることになったのですが、Microsoft 365 E5 Security と Zscaler Internet Access の組み合わせによってゼロトラストなセキュリティ環境を実現できたことが、結果的にスムーズなリモートワークへの対応につながりました。
以前の業務環境では、VPN による接続や仮想デスクトップ環境でブラウザを使用することがボトルネックとなり、一部レスポンスや使い勝手に課題を感じる経験もありました。今回構築した新しい環境では、接続する場所に関係なく、また接続拠点のネットワーク環境などにも影響されることなく、オープンな環境で各サービスを利用できます。Web ブラウザの反応やデータの通信速度などの体感も問題なく、ストレスを感じることはまったくありません。

効果3：コスト削減

非クラウド環境におけるシステムと比べて半分ぐらいのコストでシステムを構築できたと考えています。
また、リモートワークへの対応や Teams を活用した外部向けのオンラインセミナーを開催する際にも、以前は外注していましたが、現在は内製化できています。追加の投資はビデオスイッチャー程度にとどまり、コスト削減効果はさらに広がると捉えています。