Skype for Business Cloud PBX 導入事例

株式会社東京海上日動コミュニケーションズ

電話システムを Cloud PBX でクラウド化し、どこでもつながる内線電話で場所にとらわれない柔軟なワークスタイルを実現

Skype for Business Cloud PBX 導入事例 株式会社東京海上日動コミュニケーションズ
業種 流通・サービス・公共・その他
テーマ その他
製品パートナー マイクロソフト

(右から)株式会社東京海上日動コミュニケーションズ オフィスサポートユニット マネージャー 鈴木 健二氏、オフィスサポートユニット アシスタント・マネージャー 永田 耕造氏

Skype for Business Cloud PBX の導入により、移動中や外出中でもノート PC やスマートフォンでいつでも電話がつながる環境を構築。お客さま特有の環境も踏まえて日本ビジネスシステムズ(以下JBS)がサポートすることで、既存 PBX からの移行を実現しました。

【システム概要】
ハードウェア PBX を撤廃し、電話システムを Skype for Business Cloud PBX へ完全移行

今回新しく導入した Office 365 Cloud PBX システムの概要を教えてください。

本社がある八王子第二東京海上日動ビル(以下、本社ビル)の電話システムをクラウド化しました。マイクロソフトの Office 365 Cloud PBX (以下、クラウド PBX)を採用し、それまで本社ビル内で運用していた PBX 設備を撤廃しました。

電話番号の管理をはじめとする内線・外線電話に関する設定・管理はクラウド上ですべて行います。本社ビルには、クラウド PBX と連携して外線・内線電話の受発信を行うゲートウェイ装置として、ソナス・ネットワークスの「SBC 1000 Cloud Link」を導入しています。

なお、本社ビル以外の拠点は現在も PBX 設備を用いていますが、東京海上日動グループ各社が用いる内線電話網であるメンバーズネットと、本社ビルのクラウド PBX を連携させているので、当社の別拠点およびグループ会社との内線通話も可能です。すべての外線・内線電話をクラウド PBX で行っています。

  • システム構成図

    システム構成図

  • クラウド PBX の利用状況を教えてください。

    2017年4月から本格的に運用を始めて、現在 200名ほどが利用しています。
    各社員のデスク上には電話機を置かず、PC に USB で接続するハンドセットをつないで通話を行っています(左記写真を参照)。これに加えて、各部署に 1 ~ 2台、外線着信用の電話機も設置しています。部署ごとに外線を受けて担当者に取り次ぐという従来のスタイルを踏襲するためです。

    また、管理職を中心とした 20名あまりはスマートフォンを内線電話として利用しています。拠点間を頻繁に移動するためですが、外出中でも自席にいるのと同じように電話が使えるようにしました。

    従来の電話機と同じような操作感で使えるよう、PC に USB 接続するハンドセットを導入した

    従来の電話機と同じような操作感で使えるよう、PC に USB 接続するハンドセットを導入した

    本社ビル以外の拠点も、クラウド PBX への移行を予定しているのでしょうか。

    今後 5年以内に、各拠点で運用中の PBX が保守期限切れになりますので、順次、本社ビルと同じクラウド PBX 環境に移行する計画を立てています。来年度に八王子のもう 1つのビル、2019年度に永山(多摩市)を予定しており、その後、大阪などの他の拠点もクラウド PBX にしようと考えています。

    本社ビルでクラウド PBX の利用を始めてまだ数カ月の段階ですが、社外から電話をかけてくるお客さまはもちろん社員からの評判も上々です。モバイル PC やスマートフォンを使っている社員は外出中でも、会議室にいるときでも、ビル内を移動中でも電話がつながります。“いつもの番号” に発信すればつながる、この便利さが好評です。

    他拠点の移行は、既存 PBX のリプレースを機に移行する計画ですが、これだけ効果が明確ならば、PBX 更新時期の前にクラウド化することも積極的に検討したいと考えています。

    【導入の背景、従来システムの課題】
    めざしたのは、場所にとらわれない柔軟なコミュニケーション環境

    クラウド PBX の導入を検討するに至った経緯を教えてください。

    当社は、東京海上日動の保険代理店や社員からの照会に対応するコンタクトセンター業務を行っており、そのオペレータの業務効率とサービス品質の向上を目的に、以前から Skype for Business を使っていました。

    これはコールセンターのオペレータと、その監督・管理を行うスーパーバイザー(SV)が、Skype for Business のプレゼンス機能やチャット、Web 会議機能を使ってスムーズに連携できるようにするためです。この仕組みは 2015 年度から運用を開始して、現在では複数拠点・300席以上に拡大しています。コールセンター業務に関しては、Skype for Business の導入によって、場所の制約なしに社員がスムーズにコミュニケーションできる環境を実現してきたわけです。

    一方、いわゆる事務用の電話システムは PBX で運用を続けてきましたが、本社ビルの PBX がリプレース期を迎えたのを機に、同じように場所にとらわれずにコミュニケーションができる環境を目指して新システムの検討を始めました。ただし、最初からクラウド PBX を使うと決めていたわけではありません。従来通り PBX を入れ替える案も、通信キャリアのサービスを利用する案も含めて様々なシステムを比較・検討しました。

    本社ビルで約 200 名が使用する事務用電話システムをクラウド PBX で構築した

    本社ビルで約 200名が使用する
    事務用電話システムをクラウド PBX で構築した

    検討の際に重視した点は何ですか。

    どこにいても同じ番号で連絡が取れることに加えて、当然ながら、事務用の電話として必要な機能を満たしていること、長期的にコストが抑えられることも条件でした。

    【選定理由】
    将来の事業展開も見据えてクラウド PBX を採用。JBS への信頼感も選定の決め手に

    決め手となったポイントについて教えてください。

    まず、インフラの柔軟性です。勤務形態や仕事をする場所が変化しているなかで、将来的には電話機の移設や規模の増減も頻繁になるでしょうし、拠点そのものが移動する可能性もないとはいえません。我々のコア事業はコールセンターであり、「人」がサービスそのものです。今の場所でずっと、良い人材を確保し続けられる保証はありません。

    そこで、クラウド PBX なら、たとえ拠点を移動しても大きな変更なく使い続けられますし、無線 LAN にすれば電話機の移設や増減も簡単に行えます。本社ビル以外の拠点に展開する際にも、この柔軟性が活きます。これが非常に大きなポイントでした。

    クラウド PBX と連携して電話の受発信を行うゲートウェイ装置にも複数の選択肢があります。
    ソナス・ネットワークスの SBC 1000 Cloud Link を採用した理由を教えてください。

    SBC 1000 Cloud Link はマイクロソフトの Cloud PBX と接続するクラウドコネクターエディション(CCE)を内蔵したアプライアンスですが、ハードウェアの拡張性及び構築がとてもシンプルであることが決め手になりました。SBC 1000 Cloud Link は、収容する回線を増やしたい場合に、ソフトウェアライセンスを購入すればポートを増やすことができます。つまり、機器を買い換える必要がないわけです。これに対して、他社の製品は、拡張しようとすると機器の買い換えが必要でした。

    本社ビル以外の拠点に拡張する計画があり、さらに新規拠点を開設する可能性もあります。そのたびに機器を入れ替えることなく拡張できることは大きなメリットです。

    またソナスの SBC 構成、CCE 構築は Wizard 形式でとても分かりやすく、非常に短期間で本番稼動することができました。
    また直感的な GUI 操作画面のおかげで、稼動後のメンテナンスもある程度自分たちで行うことができます。

    クラウド PBX の採用にあたって、信頼性などについて正直、不安はありませんでしたか。

    なかったわけではありませんが、どんなシステムにも障害はつきものです。もしトラブルが発生すれば素早く対処して、再発を防止する工夫をすればよいというのが我々の考え方です。そうして自ら先頭に立って事例を作り、市場を牽引していく立場になろうと考えています。

    もう 1つ、良いパートナーに巡り会えたからこそクラウド PBX の導入にチャレンジした、というのもあります。JBS は、Skype for Business の前身の Lync 時代から豊富な事例を持っているので、いざとなったら第2・第3 の解決手段を出してくれるだろうという期待がありました。

    実際、JBS にお願いすることが決まる前の時点でも様々な質問に応えてくださいましたし、構築の段階で予想しなかった問題が出てきた際にもいろいろな提案をいただきました。マイクロソフトとのパイプも強く、製造元と密な連携が取れることも決め手になりました。

    【導入効果】
    コスト削減でもめざましい効果、BYOD 実施の助けにも

    新しいシステムでは電話がつながりやすくなったことが好評とのこと。
    一方で、電話の使い方や操作方法が従来のシステムと変わることで問題はありませんでしたか。

    これまで親しんだ電話の使い方が変わることについても心配はありました。しかし、JBS から事前に情報をもらっていたおかげで、実際に移行プロジェクトを始める前に社員に対して何度も説明を行いました。また、従来の電話機とできるだけ使い方が変化しないように、ハンドセットを選びました。

    こうした事前の準備をしっかりしたことで、特にトラブルなく使ってもらえています。

    社内風景

    そのほかコスト面などについて、どういった効果が得られたかを教えてください。

    PBX を購入する場合に比べて、コスト面でもメリットがありました。PBX の購入費そのものが無くなるため、初期費用が大幅に削減できました。

    保守費用についても、PBX を保有している場合は電話機を移設したり内線番号を変更したりするたびに、少額とはいえ費用が発生します。従来、本社ビルだけでも年に 70万円前後かかっていた費用がクラウド PBX ではゼロになります。今後、他の拠点に展開すれば、このコスト効果はさらに大きくなるでしょう。

    また、電話機も従来は 200台以上ありましたが、比較的安いハンドセットに変えたことで、端末の購入費も削減できています。

    そしてもう 1つ、クラウド PBX が、BYOD(私物端末の業務利用)を実施する助けにもなりました。従来、管理職を中心に 50台近くの携帯電話を会社から貸与していたのですが、この 6月から、基本的には個人のスマートフォンを利用するかたちに切り替えました。

    BYOD を行う場合に障害になるのが、私用の電話番号を仕事の相手に開示しなければならないこと、業務用の電話の通話料が自己負担になってしまうことの 2点です。クラウド PBX の環境になったことで、会社から支給したダイヤルイン番号で受発信ができるようになりました。私用の番号を開示する必要がなく、通話料も分計できます。

    これによって社員の理解が得られたことで、BYOD を推進できました。貸与する端末数は 8割程度も削減できています。

    【今後の展開】
    電話以外の機能をフル活用して Skype for Business を “使い倒す”

    今後の展開予定について教えてください。

    本社ビルへの導入と運用で得たノウハウを使って、他拠点への展開を進めていきます。
    また、電話以外の Skype for Business の機能をもっと社員が活用できるようにしていきたいと考えています。我々オフィスサポートが特に推進しなくてもチャット機能はみなさん使い始めているのですが、Skype for Business にはその他にも多くの機能があります。

    たとえば、画面共有機能を上手く活用した遠隔会議など、コミュニケーションのとり方を変えることも可能です。会議室に行かなくても自席にいながら会議に参加するといったこともできるようになります。そうした便利な使い方を広げる促進活動に力を入れたいと考えています。

    JBS 担当者からのコメント

    クラウド PBX のシステム構成は複雑な部分もありますが、マイクロソフトのユニファイドコミュニケーション製品を JBS 社内にも導入して経験を積んできていたことで、前向きに提案を行うことができました。お客さまが段階的に導入する場合でも対応できるようにと、JBS 社内で既存 PBX との連携も実現していたことが、今回のプロジェクトでとても役立ったと考えています。(佐藤)

    最新のソリューションであるクラウド PBX ですが、ご担当者様の入念な準備もあってスムーズに導入することができたと感じています。引き続き、さらなる品質の向上や、利活用の促進を東京海上日動コミュニケーションズ様と一緒に進めていきます。そのためにも、マイクロソフトやソナス・ネットワークスの機能追加などを常に注視しなければと考えています。(古賀)

    写真左より、営業本部 ソリューション営業部 営業1課 主任 佐藤 彩 イノベーションサービス統括本部 エンタープライズイノベーション本部 クラウドソリューション部 マネージャー 古賀 大也

    写真左より、営業本部 ソリューション営業部 営業1課 主任 佐藤 彩、イノベーションサービス統括本部 エンタープライズイノベーション本部 クラウドソリューション部 マネージャー 古賀 大也

    株式会社東京海上日動コミュニケーションズ

    代表者:代表取締役社長 岩越 健一
    本社:東京都八王子市横山町19-4
    設立:1991年1月10日
    資本金:1億円
    従業員数:795名(2017年4月1日現在、派遣社員除く) 事業概要:保険システムの利活用や保険商品に関するコンタクトセンターサービス、研修サービス。グループ内コンタクトセンターに関する運営支援サービスなど

    • 社名、所属名、役職名等はインタビュー当時のものです。

    2017.09.11公開

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