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Microsoft Azure 導入事例

ネッツトヨタ栃木株式会社

Pepper、Azure、サイネージ、AIの緻密かつ複雑な連携で実現する「売り」に繋がる店舗サービス改革

Microsoft Azure 導入事例 ネッツトヨタ栃木株式会社
業種 流通・サービス・公共・その他
導入
ソリューション
Ambient Office 人工知能 (AI) 活用型 Analytics ソリューション
フェーズ 設計・構築
お客様の課題 顧客接点の強化
提案対応の強化
クラウドの活用

栃木県全域をカバーするトヨタ自動車ネッツ店チャンネルの自動車ディーラー、ネッツトヨタ栃木株式会社(以下、ネッツトヨタ栃木)では、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」と JBS のヒューマノイドロボット向けサービスプラットフォーム「Robotics Azure Platform」を組み合わせ、顧客サービス改革に取り組んでいる。

導入前の課題

  • インターネットにより製品情報が身近になり、店頭スタッフに対する要望・質問が高度で複雑なものに変化
  • 自動車販売業務自体の複雑化による説明業務の増加で店頭スタッフへの負荷が増加

導入効果

  • 集客効果アップとそれに伴う商談機会の増加
  • リコメンドによる、売上・サービスレベルの向上
  • 店頭スタッフの作業負荷軽減
  • リアルタイムで来店顧客情報の収集・分析が可能に

【システム概要】 インタラクティブに新車情報を紹介するロボティクスシステムを 2 か月で構築

Pepper を利用したシステムの概要について教えてください。

ネッツトヨタ栃木株式会社 TNGA推進室 室長 並木 優明氏、TNGA推進室 専門課長 松本 浩一氏
写真左より、
ネッツトヨタ栃木株式会社 TNGA推進室
室長 並木 優明氏
TNGA推進室 専門課長 松本 浩一氏
(「TNGA」は、トヨタ・ニュー・グローバル・
アーキテクチャーの略称となります)
※ソフトバンクロボティクスの Pepper を
活用し独自に実施しています。

現在利用しているのは、販売店内に設置した大型タッチパネルモニター(サイネージ)に映し出される新車情報を、インタラクティブに紹介するロボティクスシステムです。通常はプロモーション動画などをモニターで流していますが、Pepper が人を検知するとメニュー画面が表示されます。Pepper が説明員となり、お客様がモニターをタッチして選んだコンテンツ(静止画、動画など)に連動した音声で車両情報を紹介します。

コンテンツおよびシステムはクラウド(Microsoft Azure、以下、Azure)上で開発・運用し、店頭では Windows 端末(Microsoft Surface)で Pepper やモニターを制御しています。

新車種の発売に合わせた運用開始という目標のため、導入を決めてから約 2 か月間しか開発期間がなかったこともあり、現在搭載しているコンテンツは 2 車種の詳細情報と限られた内容になっています。しかし今後、より多くの車種を説明するためコンテンツの充実を図っていく予定です。さらに、車両の説明だけでなく、当社が提供しているサービスや関連商品などの情報も掲載できるよう、システムを拡張して、店頭の業務オペレーションに組み込んでいきたいと考えています。

また、現段階ではこのシステムを利用する過程で得られる、操作ログや Pepper に対して発された質問や要望、顔認識機能で得られる来店者の情報など、機械学習で分析するためのさまざまなログ情報を蓄積しています。機械学習機能は、学習データが増えれば増えるほど精度が向上していきますので、ある程度データが蓄積された段階で、AI 技術を利用した会話機能やリコメンドの機能を実装していきたいと考えています。

システムを「店頭業務オペレーションに組み込む」とは、具体的にどのような業務を想定しているのでしょうか。

タッチパネルで選んだコンテンツと連動して、Pepper が音声で説明する(サンプル画面例)
タッチパネルで選んだコンテンツと連動して、
Pepper が音声で説明する(サンプル画面例)

このシステムに店頭における接客や受付などの業務をすべて任せることができれば理想的ですが、今はまだ簡単に人間の代わりが務まるわけではありませんので、接客担当スタッフの負担を軽減するような業務や、AI 技術を駆使した人間では対応が難しいサービスを開発するためのインフラとして捉えています。具体的には、次のような機能やサービスの展開を想定しています。

  • 【業務例 1】インタラクティブなリコメンド機能
    あらかじめ用意されたメニューやストーリーに沿ったコンテンツだけでなく、提供される情報やお客様の行動、顔認識による年齢や性別を AI で判断して、目の前のお客様に最適な情報やサービスをリコメンドしながら、Pepper が商談を補助したり、進めたりする機能。
  • 【業務例 2】基幹システムとの連携による顧客向けサービスの提供
    基幹システムとの連携によって、過去の取引歴などをもとに Pepper が査定、試乗、見積提示やサービス商品を提案できるようにする機能。
  • 【業務例 3】コンプライアンスの徹底
    商品や保険などを販売・契約する際、法令などに基づき説明しなければならない事項に関して、Pepper が接客担当スタッフを補助したり、代行したりする機能。
  • 【業務例 4】非購入者を含む来店者の分析
    来店されたお客様と Pepper とのやり取りを通じて、購入者だけでなく、非購入者の行動を記録・分析して、販売戦略の立案や業務改善の基礎データを可視化する機能。

【導入経緯】 ロボティクス×AI を活用し、魅力的な売り場づくりと働きやすい環境を目指す

Pepper によるシステムを導入した経緯を教えてください。

法人向けの Pepper for Biz の提供が開始されたのにともない、トップの強い志向で導入を決めました。当時は、世界的に見ても Pepper のようなロボティクスや AI 技術を活用した店舗づくりの成功例はほとんどなく、何が、どこまでできるのか未知数なところもありました。しかし、創立 50 周年を迎え、積極的に先進的な技術を取り入れることで厳しい競争環境の中で生き残り、「町いちばんのカーライフパートナー」となるためのチャレンジの一環として、今回のプロジェクトに望んでいます。

具体的なねらいなどはあったのでしょうか。

国内の新車販売市場が縮小傾向にあり、販売店間の競争も激化する中、より魅力的な「売り場」を実現すると同時に、人材不足を補い、働きやすい職場環境を実現するための取り組みと考えています。

具体的な例を挙げて話をすると、例えば新車の販売に関して、最近のお客様の傾向としては、事前にインターネットなどで基本的な機能や口コミの情報などを調べてから来店いただく方が多く、「より詳しい情報を得たい」「複雑な機能をわかりやすく説明してほしい」「ホームページには掲載されていないようなことを知りたい」など、店頭スタッフに対する要望は高度で複雑なものとなっています。そのため、個人個人のお客様に寄り添った情報の提供や、正確かつ専門的な知識や対応が求められます。

また、高度な安全装備やナビゲーションシステムなど、自動車技術の進化やコンプライアンス遵守にともなう説明や契約手続き工数の増加など、自動車販売業務自体が複雑化しています。

こうした状況でおのずと店頭スタッフにかかる負荷は増加し、人材確保が難しい状況もあいまって、働きやすい職場改革の決め手となる改善策を打ち出すのは困難な状況でした。実際、目の前のお客様の対応に追われて他のお客様を長時間待たせてしまったり、お客様からより詳しい説明を聞きたかったという声を頂戴したりすることもありました。

ロボティクス技術を業務オペレーションに組み込み、接客業務を補完することができれば、次のような業務改善によって「売り」に繋がる業務環境を実現できると考えました。

  1. お客様動向の変化に柔軟に対応でき、顧客満足度を高めることができる。
  2. 業務の標準化、効率化、底上げを図ることができる。
  3. 接客対応スタッフの負荷を大幅に軽減できる。
  4. ロボットが代替のできない業務へと、人的リソースを振り向けることができる。

さらに、AI や人型ロボットなど、先進的な取り組みを実践することで、店舗や企業としてのイメージアップを図り、一人でも多く当社のファンを増やすとともに、職場としての魅力を高めることにも繋げたいと考えました。

実際のシステム開発は、どのように進めていったのでしょうか。

Pepper のコンセプトムービーに描かれていた接客の様子が当社の理想とするイメージに近かったのですが、技術的な問題や開発期間、コストなどの点からもそのすべてを今すぐに実現するのは難しく、JBS にも相談をしながら、「今できること」と「将来的に実現していくこと」を具体的に提案してもらいシステムの開発を進めました。「今できること」に関しては、JBS に提供してもらったプロトタイプをベースに開発を進めることができたので、スムーズかつ短期間にシステムを構築できました。

また今回、インフラとしてクラウド(Azure)を採用したことで、AI や顔認識、データベース、分析、言語解析、多言語対応などベースとなるエンジンを組み合わせてシステムの設計・開発を進めることができました。現時点で、すべてのエンジンや機能を組み込み、活用できているわけではありませんが、サーバを用意したり、ゼロから時間と工数をかけて機能やエンジンを開発したりする必要がないので、システムの構成や機能もイメージしやすく、開発工数や期間、コストを抑えることができました。さらに、技術面は JBS がワンストップでサポートしてくれるので、安心してアイデアや活用イメージの創造に注力できました。

システム構成イメージ
システム構成イメージ

【導入メリット】 業務の補完だけでなく、「売り」に繋がる AI や行動分析などの活用に期待

システムを導入して、具体的な成果は上がっていますか。

ネッツトヨタ栃木株式会社 TNGA推進室 専門課長 松本 浩一氏
ネッツトヨタ栃木株式会社
TNGA推進室 専門課長 松本 浩一氏

2016 年 11 月から実店舗に導入したばかりで利用期間も短く、コンテンツも限られていることから、まだ売上に直接貢献しているという数的データは得られていません。しかし、当社における Pepper のお披露目となった大規模商談会において、Pepper は約 3,000 人の来場者のおよそ 3 分の 1 を超える人数に対して接客することができ、さらにそのうち 25 % の方が商品に興味を抱いたというデータも出ました。 今後、コンテンツやシステムを充実させることで、次のような効果が得られるのではないかと期待しています。

  • 【メリット 1】集客効果、商談機会の増加
    Pepper は人目を惹くので、単にサイネージやパンフレットを設置しておくのと比べて集客効果は高いと感じています。多くのお客様は、スタッフが目を合わせると視線を逸らしてしまいますが、Pepper の場合はお客様から近寄ってきて話しかけてくる場面が数多く見られます。これは Pepper の大きな魅力であり、店頭はもちろん大規模な商談会などにおけるスタッフの負荷軽減やエクスペリエンスの向上にも期待できると捉えています。
  • 【メリット 2】リコメンドによる売上およびサービスレベルの向上・標準化
    AI 技術を用いて的確な情報提供や提案をすることで、スタッフ個人の知識や能力に依存せず、画一的なコンテンツや資料では難しい、より確度の高い商談を進めることができるようにしていきたいと考えています。
  • 【メリット 3】セルフサービスによる顧客満足度向上とスタッフの作業負荷軽減
    アンケートやヒアリングをする際、スタッフと直接話すのが苦手なお客様でも、Pepper のような人型ロボットであれば気軽に対応してもらえる場合もあると考えています。まずは Pepper のセルフサービスで商談を進め、クロージングをスタッフが担当するという場面も想定しています。
  • 【メリット 4】リアルタイムの情報収集・分析による迅速かつ柔軟なアクション
    従来であれば、来店・来場者の状況分析には時間がかかり、場合によってはアンケート調査なども必要でしたが、今後は Pepper のカメラに映ったお客様の様子をリアルタイムに収集・分析することで、状況に応じたアクションを即座に指示・実行することができるようにしていきたいと考えています。また、クラウド上でシステムを開発・運用しているので、多店舗にシステムを展開したときでも、複数の店舗の情報をリアルタイムで収集・分析しやすく、修正プログラムの配付なども不要なので運用面でのメリットもあると考えています。

【選定理由と評価】 業務システムや Azure に関する経験が豊富で、Pepper アプリの開発ができる JBS を高く評価

JBS にロボティクスシステム開発のサポートを依頼した理由を教えてください。

JBS は、当社が導入検討を開始した当時からソフトバンクロボティクス株式会社のロボアプリパートナー認定の準備を進めており(現在は、ロボアプリパートナー Advanced に認定済み)、 Pepper のロボアプリ開発に関する知識や技術力を持っていました。加えて、数多くの業務システムやデジタルサイネージシステム、さらに Azure に関するシステムの構築・運用経験があったことから、システム管理者の立場から見ても、安心してシステムの設計・開発・構築・運用のサポートを任せられると判断しました。

また、当社と JBS の所在地は宇都宮(栃木県)と東京と離れているのですが、それにも関わらずフットワークが良い点も好印象でした。JBS に Pepper の導入やシステムの設計・開発に関する相談をする中で、当社が漠然とイメージしていた機能を具現化する方法をはじめ、「今できること」「するべきこと」「できないこと」、さらには「メリット」「デメリット」も明確に示してくれたので、パートナーとして信頼できると感じました。

結果として、これらの判断は間違っておらず、サポートパートナーとして JBS を選んで良かったと思っています。

JBS への要望や期待があればお聞かせください。

Pepper はもちろん、Azure や AI など、今回のシステムで採用している技術は世界中のさまざまな業種や業務での活用が急増しています。そしてそれらの技術は先進的であるがゆえに進化が早く、そのすべてを自社内だけでフォローし続けるのは、ボリューム的にも技術的にも容易ではありません。このシステムに関するイメージは、当社と JBS で共有できていると思いますので、多種多様な情報を当社向けに上手くフィルタリングしてもらい、わかりやすく提供してもらうと同時に、引き続き、システムの追加・拡張のサポートをお願いできればと思っています。

JBS 担当者からのコメント

JBS イノベーションサービス統括本部 エンタープライズイノベーション本部 クラウドソリューション部 IoT推進グループ テクニカルマネージャー 若林 広紀
JBS イノベーションサービス統括本部
エンタープライズイノベーション本部
クラウドソリューション部
IoT推進グループ テクニカルマネージャー
若林 広紀

Pepper や様々な IoT デバイスに、日々進化・充実していく Azure のサービスが持つ力を融合させることで、JBS のお客様、そしてお客様の先のお客様にまで今までにない体験をお届けできるはずと考えています。 今回のシステムの導入でいろいろな試みができる土台が整いましたので、これからネッツトヨタ栃木様と一緒に、ユーザーの皆さまへ新たな体験を提供していきたいと考えています。

ネッツトヨタ栃木株式会社

代表者:
取締役会長 守川 正博、取締役社長 関島 誠一
本社所在地:
栃木県宇都宮市駒生2-10-28
設立:
1967 年 10 月
資本金:
4,000 万円
従業員数 :
495 名(2016 年 6 月現在)
事業概要 :
トヨタ・レクサス・フォルクスワーゲンの新車および各種中古車販売、点検整備、カスタマイズ、損害・生命保険代理店業務、部品用品販売、情報通信機器(au)の販売、等

※ Pepper は、ソフトバンクロボティクス株式会社の商標です。

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