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Microsoft Azure 導入事例

株式会社三菱総合研究所

復興事業における新・資金支援スキームを早期実現へと導いた、“Azure × Windows タブレット” のシナジー効果

Microsoft Azure 導入事例
業種 流通・サービス・公共・その他
導入
ソリューション
Microsoft Azure ソリューション
フェーズ 設計・構築
保守・運用
お客様の課題 クラウドの活用
業務効率化
コスト削減
導入製品・
サービス

宮城県女川町の災害公営住宅建設事業において、JBS は「クラウド × タブレット」の組み合わせで、低コスト、短納期、拡張性に優れた
「工事進捗管理システム」を実現しました。

【 システムの概要 】
タブレットを使って工事進捗状況を申請する「工事進捗管理システム」

JBS が開発を担当した「工事進捗管理システム」について教えてください。

「工事進捗管理システム」は、建築事業者などが現地の工事進捗状況を管理者に正確に報告して承認を得るプロセスを、工事箇所ごとに実施していくためのシステムです。現在、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県女川町の災害公営住宅建設事業における資金支援スキーム(以下、資金支援スキーム)において利用しています。

「工事進捗管理システム」の利用プロセスについて教えてください。

基本的な利用プロセスは次の通りです。

(1) 建設事業者は、Windows タブレットの専用アプリケーションを使用して、物件の進捗に応じたエビデンスとなる写真を撮影。同時に高精度 GPS により、撮影された位置情報が自動的に記録されます(写真データは10枚まで添付可能)。

(2) エビデンスデータに物件情報などを付加し、インターネット回線(モバイル回線)を通じてクラウド( Microsoft Azure )上の Web アプリケーションへ情報が登録されます。

(3) 管理者側で、登録された情報(エビデンス)を確認して承認。確認結果は、例えば、出来高に応じて建設事業者に振り出される電子債権額の算定などに使用されます。

集合写真
写真左より、
株式会社三菱総合研究所
戦略コンサルティング本部長
主席研究員 榎本 亮氏、
戦略コンサルティング本部 金融事業グループ
主任研究員 須藤 長氏、
戦略コンサルティング本部 金融事業グループ
研究員 秦 知人氏
「工事進捗管理システム」の概要と主なシステム構成
●「工事進捗管理システム」の概要と主なシステム構成

【 開発の背景 】
公共事業において、実質的な「出来高払い」を実現したこれまでにない資金支援スキーム

「資金支援スキーム」の概要も含め、「工事進捗管理システム」を開発した経緯を教えてください。

通常の公共工事の場合、事業者である建設事業者は前払金を受け取ることができます。しかし、今回の事業は災害公営住宅建設のため、多数の地元事業者からなる一般社団法人が設立され、各地区の全戸引渡時に一括して一般社団法人へ支払われる仕組みとなっています。

そのため、建設事業者は、数か月間人件費や資材購入費などを立て替える必要があり、資金繰りを支援する仕組みが求められていました。

株式会社三菱総合研究所 戦略コンサルティング本部長 主席研究員 榎本 亮氏
株式会社三菱総合研究所
戦略コンサルティング本部長
主席研究員
榎本 亮氏

そこで、株式会社三菱東京 UFJ 銀行と株式会社三菱総合研究所(以下 MRI )では、女川町の優良な信用力を背景とした電子債権を利用し、工事進捗状況に応じて実質的な「出来高払い」を受けられるスキームを実現しました。それが、資金支援スキームです。

一方、資金支援スキームを実現するためには、建築事業者が現地の工事進捗状況を MRI(出来高確認者)へと正確に報告するプロセスを物件ごとに実施していかなければなりません。都度、現地に MRI 担当者が出向いて確認するのは非効率なため、そのプロセスを効率化・省力化・迅速化するために、「工事進捗管理システム」を開発しました。

資金支援スキームの流れ
●資金支援スキームの流れ
株式会社三菱総合研究所 戦略コンサルティング本部 金融事業グループ 主任研究員 須藤 長氏
株式会社三菱総合研究所
戦略コンサルティング本部
金融事業グループ
主任研究員
須藤 長氏

【 選定理由 】
クラウドや最新のアプリ開発環境など、先進的なテクノロジーを
融合した提案を評価

「工事進捗管理システム」を開発するにあたり、要件などはありましたでしょうか。

工事現場で写真を撮影して、GPS による位置情報を記録し、その情報を送信しなければならないので、タブレットを使えば上手くいくのではないかというアイデアはありました。特に Windows であれば、建設事業者も慣れている方が多いはずで、利用時の障壁を少しでも下げることができると思いました。

また、遠隔からでも利用者をサポートできるよう、リアルタイムでコミュニケーションが取れる機能も搭載できればと考えていました。そのほか、基本的な利用プロセスのイメージを JBS に伝えて、細かな仕様や機種などは提案をしてもらうようにしました。

一方、機能や仕様以外では、「短期間で構築」すること、「低コストで構築・運用」できること、「運用保守の負荷を軽減」することを要望しました。開発期間に関しては、長引けば長引くほど資金支援スキームの実現が遅れますし、構築や運用にコストや手間がかかれば、スキーム自体が成立しなくなってしまう可能性もあり、JBS に期待するところは少なくありませんでした。

JBS からの提案を採用した理由を教えてください。

JBS が開発したタブレットを活用したシステムをデモンストレーションで見たことがあり、提案を依頼する段階で実績や技術力は申し分ないと考えていました。また、提案の依頼を相談した際も、その場でアイデアや方向性を示してくれたので安心できました。

具体的な提案内容に関しては、「クラウドサービス Microsoft Azure(以下、Azure )の活用」と「業務アプリ開発ツール Microsoft Project Siena(コードネーム。以下、Project Siena )によるアプリの開発提案」という先進的なテクノロジーを融合した提案であったことも評価ポイントになりました。

クラウドサービスを採用することで、初期導入・運用コストや手間、時間を抑えることができ、サーバインフラの運用保守からも解放されます。しかも、Azure であればマイクロソフト社が運営する東日本・西日本の強固なデータセンターにおいてデータを保管でき、通信環境さえ確保できれば、どこからでもアクセスが容易なことから、まさに資金支援スキームの理想とするインフラ環境だと思いました。

また、Project Siena に関しては、聞いたことのなかった開発ツールではありましたが、タブレット上で実際の利用画面をシミュレートしながら動作の推移を確認・変更できることや、その場で画面レイアウトを追加・変更できる様子を見て、これまでにない優れたツールだと感心しました。最初にその様子を見たときはまだサーバ側のシステムは動いていなかったのですが、そのまますぐに現場に持って行って使い始めることができるのではないかと、勘違いをするほどでした。

【 効果 】
資金支援スキームの実現を後押しした、「クラウド × タブレット」によるシナジー効果

「工事進捗管理システム」への評価をお聞かせください。

先進的なテクノロジーがベースとなるシステムの開発は、先進性ばかりに目が行ってしまいがちです。一方、今回の JBS からの提案は、「短期間での構築」、「低コストでの構築・運用」、「運用保守の負荷軽減」という目的を実現するために、最新のテクノロジーを採用し、そのシナジー効果によって、資金支援スキームの早期実現や運用コストの低減に大きく貢献してくれました。

また、開発時はもちろん、システム稼働後も、細かな仕様変更や頻繁に発生しましたが、柔軟かつ迅速に対応してもらえるので、とても助かっています。

株式会社三菱総合研究所 戦略コンサルティング本部 金融事業グループ 研究員 秦 知人氏
株式会社三菱総合研究所
戦略コンサルティング本部
金融事業グループ
研究員
秦 知人氏

資金支援スキームの利用率はどのくらいなのでしょうか。

現時点では、約半数の案件で利用されています。現状、完成したものを含め約 30 棟の住宅が着工されていますが、これから合計 300 棟程度の建設が予定されていますので、資金支援スキームならび「工事進捗管理システム」が、建設の加速を後押ししてくれることを願っています。

システム構築時に苦労したことなどはありましたか。

災害公営住宅は、いくつかの地域に分かれていますが各棟が並んで建っていますので、タブレット端末に標準で搭載されている GPS よりも高精度な GPS 情報が必要でした。そこで、別途、高精度な GPS 機器を探すことになったのですが、Windows タブレットの場合はほかの OS と比べて周辺機器の選択肢が多いので、最適な製品を選ぶことができ、助かりました。

建設が進む現地の様子
●建設が進む現地の様子

【 今後の展開と期待 】
マイクロソフト製品を知り尽くしている JBSは、MRI にとってかけがえのないビジネスパートナー

今後の展開予定があれば教えてください。

「工事進捗管理システム」に関しては、システムのリリースを優先としたため、第一弾では見送りましたが、要件でも挙げたコミュニケーション機能を追加で搭載したいと考えています。すでに Microsoft Lync を使ったビデオ会議機能の組み込みは目処が付いていますので、遠からずバージョンアップできると考えています。

また、資金支援スキームを、同様の問題を抱えている公共・民間事業にも横展開していく予定です。

当然アプリの改変は必要ですが、Project Siena を使った開発はスピーディで、Azure 上で利用すればインフラへの大きな投資も不要です。低コストかつ短期間に申請から承認の仕組みも実現できますので、早い段階で別の事業への展開が進む可能性もあると考えています。

本プロジェクトは、東島 英志(営業)、山本 暁(技術)が担当しました
本プロジェクトは、東島 英志(営業)、山本 暁(技術)が担当しました。(右より)

JBS への要望や期待があればお聞かせください。

今回のような「クラウド × タブレット」による事業展開は、私たちの知る限り、MRI の中では初めてのケースです。その先進性だけでなく、コストパフォーマンスや短期構築というシナジー効果を生み出せたことには、とても大きな意義があると思っています。それを実現できたのも、JBS の技術力と迅速かつ丁寧な対応のおかげだと感謝しています。

先ほども、少し話しをしましたが、マイクロソフト製品は実績や技術力が認知されていますので、情報システム部門やエンドユーザーはもちろん自治体に提案をする際など、名前を出しただけでお客様に安心してもらえる数少ないメーカーの1つです。そういう意味で、マイクロソフト製品を知り尽くしている JBS という存在は、欠くことのできないビジネスパートナーです。今後とも、ビジネスパートナーとして、高度なレベルのサポートに期待しています。

弊社担当者コメント

金融営業部 営業1課 主任 東島 英志
金融事業部 金融営業部
営業1課
主任 東島 英志

災害公営住宅の整備という震災復興事業を支援するプロジェクトということで、これまで経験したことのない「やりがい」や「喜び」を感じることができました。その一方、限られたコストの中で、迅速にシステムを構築しなければならず、思い悩むことも少なくありませんでした。

そのような状況下、三菱総合研究所様と議論を重ねながら、「クラウド × タブレット」という先進的なソリューションのシナジー効果を最大限に引き出し、環境の変化にともない動的にリソースを変化させることができる柔軟なインフラ環境を具現化できたことは、大きな成果だと感じています。

これに満足せず、今回開発したシステムを横展開して、さまざまな災害復興や地域活性化に貢献していきたいと考えています。

システムインテグレーション統括本部 AmbientOfficeソリューション本部 カスタマーリレーションシップデザイン部 グループマネージャー 山本 暁
システムインテグレーション統括本部
AmbientOfficeソリューション本部
コラボレーション&ソーシャルデザイン部
MS Solutionグループ
グループマネージャー 山本 暁

「短期間での構築」、「低コストでの構築・運用」、「運用保守の負荷軽減」など、さまざまな要件がありましたが、今回、もっとも強く意識したのは「操作性」です。少なくとも机に座って操作するのではなく、だれが、どのような操作環境で利用するのかわからないので、一度説明を受けたらその場ですぐに使い始めることができるぐらいのシンプルさを心掛けました。

その大きな後押しとなったのが、Microsoft Project Siena の存在です。Project Siena を使えば、アプリ上(タブレットの画面上)で、実際の操作性やアイデアを検証しながら、あたかも文書を編集するかのように具体的な形にしていくことができました。その結果、手戻りを防ぎ、プロジェクトメンバー間でスムーズに意思の疎通ができました。

今後は、さらに Windows タブレットの操作性や互換性、モビリティを活かしたソリューションを具現化していきたいと思います。

株式会社三菱総合研究所
http://www.mri.co.jp/

代表者:
代表取締役社長 大森 京太
代表取締役副社長 小野 誠英
本社:
東京都千代田区永田町二丁目10番3号
設立:
1970年5月8日
資本金:
6,336,244,000円
従業員数 :
(連結)3,580名(2014年9月30日現在、単体894名)
事業概要 :
シンクタンク・コンサルティングサービス、ITサービス

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