株主・投資家情報
事業等のリスク

日本ビジネスシステムズ株式会社(以下、「当社」という。) 2022年9月期有価証券報告書において記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスクは、以下のようなものがあります。
当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。
なお、文中の将来に関する事項は、2022年9月末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。

1. 事業環境に関するリスク

1. 景気変動及び業界動向の変化によるリスク

当社が提供するクラウドインテグレーション事業・クラウドサービス事業・ライセンス & プロダクツ事業は、顧客のクラウド化が進む中で市場は成長しており、当社としてはこの傾向は継続すると想定しています。同市場の中で競争力維持のため、マイクロソフトの Azure Expert MSP 認定の継続保持のための人材及びプロセス開発を進めていますが、国内外の経済情勢や景気動向等の理由による、顧客企業におけるシステム投資の縮小や製品開発の遅れ、事業縮小、システム開発の内製化等により、当社が提供するサービスに係る市場規模が縮小される可能性があります。従って、国内システム投資動向が悪化した場合及び当社の顧客が属する事業分野の市況が悪化した場合等には、既存顧客からの受注の減少や新規顧客開拓の低迷により、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

2. 競合企業によるリスク

当社は、情報サービス業界に属しており、多数の競合企業が存在していますが、今後はシステム開発のグローバル化により国内競合企業に限らず、海外企業も含めた人材獲得競争・価格競争が激化することが予想されます。
人材獲得競争に対しては人材確保に向けた各種施策に取り組んでいます。新卒採用においては、首都圏だけではなく、各地域からも優秀な人材を確保するため、都内好立地での社宅の提供や社内コミュニケーション活性化のための社員食堂 Lucy’s CAFE & DINING の完備等、社員の福利厚生を充実させることで採用競争力を高めています。また、マイクロソフトをはじめとした各メーカーと連携した資格取得制度やオフサイトで学習を進めることができる Eラーニングの充実、オンサイトにて学びを深めるための JBS トレーニングセンターの設置等、社員を育成する仕組みも充実させています。中途社員に対しても、従業員紹介制度の導入等、優秀な人材の採用に向けた選択肢を充実させています。
価格競争に対してはプロジェクト管理や品質管理の強化を通じて開発コストの低減及び収益性の向上に努めていますが、競合企業増加に伴い人材獲得競争・価格競争等が更に激化した場合には、受注量の減少、営業案件の失注や収益性の低下等により当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3. 技術革新によるリスク

当社が属する情報サービス業界の著しい技術革新に対応するため、採用、教育研修、開発環境整備等によって対応していく方針でありますが、急激な技術革新等の方向性を予測、認識できない場合や、適時適切に対応できない場合、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

2. 当社事業に関するリスク

1. 日本マイクロソフトとの関係に関するリスク

当社は、日本マイクロソフトとの長年にわたる取引・協業によって、事業を拡大させており、今後の持続的な成長においても、同社との関係の維持・強化が重要であると考えています。当社は、現在同社とは安定した取引関係を継続していますが、一部または全部において、同社製品・ソリューションが含まれるサービス提供の割合は 2022年9月期の実績で当社売上の 76%を占めており、同社紹介による新規案件の獲得や同社技術を用いた新規事業の開発も行っています。同社との契約内容・取引条件に大きな変動が生じる等の何らかの事情により、同社との関係に大きな変化が生じた場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

2. 特定の製品・サービス等の関係に関するリスク

当社は、日本マイクロソフトとの間に提供する製品・サービス等に係る契約を締結し、顧客に対して当該製品・サービスの提供を行っています。当社は、こうした特定の取引先と安定した取引関係を継続していますが、何らかの事情により、特定の製品・サービス等の市場訴求力に大きな変動が生じた場合、及び当社からの特定の製品・サービスの提供に支障が生じた場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3. 顧客との関係継続に関するリスク

当社は、顧客との関係を強化し、当社の提供するサービスが活用されることで顧客の事業パートナーとしてあり続けることを目指しています。しかしながら、顧客のオンプレミスではなくクラウドでのシステム構築やシステム導入後の保守管理サービスのサービスレベルが顧客ニーズや期待の変化に対応しきれず、これらの顧客が当社との取引または契約関係を継続しない場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

4. プロジェクトの採算管理に関するリスク

当社では、作業工程等に基づき発生コストを予測し、適正な利益を加味した見積り金額を算出し、プロジェクトの採算管理をしていますが、当初想定できなかった事象等の発生による追加コストの発生、当社の過失による納期遅延が発生した場合には、当初見込みからプロジェクトの採算が悪化するほか、当社評価の低下等により、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

5. 労務管理に関するリスク

一括請負契約のシステム開発のプロジェクトにおいては、納期厳守と高い品質の確保が要求され、予想外のトラブルや開発環境等の変化が生じた場合、品質や納期を遵守するため一時的に長時間労働が発生することがあります。当社では、長時間労働の発生を未然に防ぎ、従業員の健康を損なうことがないよう、労務管理体制を整備していますが、やむを得ない事情により長時間労働が発生した場合には、システム開発の生産性の低下や従業員の士気の低下等により、社会的・法的な労務問題につながり、当社の経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

6. 外注人材の確保に関するリスク

当社におけるシステム構築、開発業務等については、人材の確保、開発業務の効率化、顧客要請への迅速な対応等を目的として、業務の一部について協力会社への外部委託を活用しています。当事業年度末現在では信頼できる協力会社との良好な連携を維持しており、今後も協力会社の確保、及びその連携体制の強化を積極的に推進していく方針ではありますが、協力会社から十分な人材を確保できない場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

7. 情報システムに関するリスク

当社は、業務効率化や社内情報共有のため、情報システムをクラウド環境・オンプレミス環境それぞれに構築・運用しています。いずれの環境においても、サービス利用できないシステム障害、外部からの予期せぬ不正アクセスやマルウエア感染等のセキュリティインシデントによる情報システムの深刻なトラブルが発生した場合には、業務効率性の低下を招くだけでなく、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、クラウド環境に保存されている顧客情報(個人情報含む)や顧客システム環境の設計情報等のデータ喪失や漏洩が発生した場合にも、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

8. 法的規制について

当社は、当社事業の遂行にあたり、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)、下請代金支払遅延等防止法(下請法)、電気通信事業法、古物営業法、その他法令(プライバシー・個人情報保護関連法、反社会的勢力排除・贈収賄禁止等腐敗防止法を含みますがこれに限りません。)の規制を受けています。当社は、労働者派遣法については人事部、電気通信事業法については経営企画部、古物営業法についてはビジネスサポート部をそれぞれ管理部署として定め、法令に従い許認可の取得を行う等、法令を遵守しています。
しかしながら、法改正への対応を怠る等、法令違反が生じた場合は、当社事業の遂行が制限される可能性があるほか、顧客からの損害賠償請求のおそれがあり、また社会的信用の失墜の可能性があります。このような事態となった場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

9. プロジェクトに関する係争リスクについて

当社は、当社事業の遂行にあたり、システムインテグレーション、クラウドインテグレーション等の開発プロジェクトを受託します。当社は、適用される法令等規制を遵守し、契約条件に従いプロジェクトを遂行し、法令等規制や契約に違反しないようにプロジェクトを遂行しています。
しかしながら、受託したシステムの不具合やプロジェクトの失敗等により損害賠償請求を受けることで当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

10. 海外展開について

当社は、これまでに米国、中国、シンガポール、メキシコ、香港に子会社を設立し、海外展開を進めていく方針ですが、海外展開に際しては現地の法令・規制の変更、社会情勢、為替相場の変動、当社サービスが市場に受け入れられない可能性等の様々な潜在的リスクが存在しています。それらのリスクに対処できなかった場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3. 経営管理体制に関するリスク

1. 代表者への依存について

代表取締役社長牧田幸弘は、当社設立の中心人物であり、当社の事業活動全般において重要な役割を果たしており、代表者に依存する部分が相当程度存在しています。当社は、代表者への過度な依存を回避すべく、経営管理体制の強化及び人材の育成を進めておりますが、何らかの理由により代表者が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

2. 人材の確保及び育成に関するリスク

当社の成長と利益は、人材に大きく依存します。従って、優秀な技術者やシステムエンジニア、管理者等、必要とする人材を採用、育成することは当社にとって重要であり、これに対して新卒採用や中途採用の促進及び研修制度の各施策を実施していますが、このような人材を採用または育成することができない場合や人材流出が想定以上に進んだ場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3. 顧客情報等漏洩のリスク

当社では、業務に関連して顧客や取引先等の個人情報及び機密情報を取り扱う場合があります。当社においては、ISO27001(ISMS)や JIS Q 15001(プライバシーマーク)の認証取得を行い、CISO(Chief Information Security Officer)を責任者とする、各部門担当者と管理者で構成される情報セキュリティ体制を構築するとともに、情報セキュリティ委員会を設置し、従業員教育、各種ソフトウエアの監視、情報資産へのアクセス証跡の記録等各種の情報セキュリティ対策を講じ、個人情報を含む重要な情報資産の管理を実施することで、情報漏洩のリスクの回避を図っています。しかしながら、当社または協力会社より情報の漏洩が発生した場合には、顧客からの損害賠償請求や当社の信用失墜等により、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

4. 知的財産権のリスク

当社が行うシステム開発等の事業活動において、他社が権利者となる商標権、特許権及び著作権その他の知的財産権を侵害しないように十分に啓発活動を行い、常に注意を払って事業展開をしており、当事業年度末現在において、知的財産権を侵害した事実はありませんが、当社の認識の範囲外で他社が権利者となる知的財産権を侵害する可能性があります。このように、第三者の知的財産権を侵害してしまった場合、多額の費用負担や損害賠償請求を受ける等、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、自社の事業を展開するうえで必要となる知的財産権の取得及び自社で創造した知的財産の権利化を積極的に行っていますが、取得及び権利化に支障が生じた場合には、自社事業展開に問題が生じ、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

5. コンプライアンスに関するリスク

当社は、当社の事業拡大や法令等の改正に伴いコンプライアンスに関するリスクの増大が予想されることを認識しています。これに対し、当社は、全役職員が遵守すべき行動規範として「コンプライアンス行動指針」を制定し、コンプライアンス推進体制を構築することで、全役職員の法令、社会規範及び社内規則類の遵守並びに企業人としての倫理的な活動の確保に努めています。
しかしながら、重大なコンプライアンス違反の発生により、損害賠償請求を受ける可能性や重要パートナー含む取引先から取引見直しを受ける可能性があるほか当社の社会的信用の失墜等によって当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

4. その他のリスク

1. 自然災害等によるリスク

当社は、地震、火災等の自然災害の発生等を想定したリスク管理体制の整備を実施しています。しかしながら、当社において、直接的な被害の発生や電力供給の停止または通信障害等により、当社の業務の遂行に支障が生じた場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

この画面のトップへ