IT基盤の刷新プロジェクト事例

ケーテック株式会社

グローバル展開を見据え Microsoft 365 を導入し
ゼロトラストなリモートアクセス環境を実現

ケーテック株式会社
業種 製造・ヘルスケア
テーマ
  • DX・内製化
  • データ活用
  • クラウド活用
  • セキュリティ
  • コラボレーション
  • 運用管理
製品パートナー
  • シスコ
  • マイクロソフト

(左より)ケーテック株式会社 代表取締役社長 尾本 忠謙 氏、経営サポートグループ ITシステム担当 マネージャー 大野 智章 氏

社内情報共有とともにセキュリティを強化し
自動車産業セキュリティガイドラインにもいち早く対応

約 40年の歴史をもつ産業用自動化設備メーカーのケーテックは、中国江蘇省無錫市(こうそしょうむしゃくし)にも工場を開設し、インドネシアやタイにも提携工場を広げるなど、アジア地域への事業展開を加速しています。しかし、そうした中でネックとなっていたのが、10年近く見直しができていなかった IT 基盤でした。そこで、「Microsoft 365 Business Premium」とネットワーク製品の「Cisco Meraki」シリーズを軸とした基盤刷新に踏み切り、間接業務の効率化・自動化とセキュリティ強化を成し遂げました。

【会社概要】
FA 分野のトータルサービスを提供する「一歩先行く設備メーカー」

ケーテックについてご紹介ください。

ケーテックは大手電機メーカーから子会社を引き継ぐ形で創業した、約 40年の歴史をもつ産業用自動化設備の専用機メーカーです。開発から設計、製作、保守、IoT まで一貫して提供し、自動車をはじめ半導体や医療など多岐にわたる分野でお客さまのご要望に合わせた設備を手掛けてきました。その実績とノウハウを集結し、「任せて安心」できるエンジニア集団として、お客さまとともに未知の技術へ挑戦し、ものづくりの革新を支えています。

2011年には中国江蘇省無錫市にも工場を開設し、日中の拠点を軸にインドネシアやタイの提携工場とも連携するなど、一貫したサービスでアジアへの展開を加速しています。

【導入の背景】
10年近く IT 基盤の見直しがされずセキュリティに懸念が残る

社内 IT 基盤の全面的な刷新が求められた背景を教えてください。

当社では 10年近く IT 基盤の見直しを行っておらず、特にユーザー管理やアクセス権限管理、端末管理などセキュリティ面で懸念がありました。

また情報共有についても、紙の回覧、ホワイトボードでの備品管理、対面での予定共有などアナログな部分が多く残っていました。現状の規模ではなんとか業務が回るものの、今後の事業拡大に伴う新たなグローバル拠点の展開や従業員の増加、リモートワークを見据えた非対面での業務に対応していくには不十分です。
そこで時間や場所を超えて「いつでも、どこでも、同じ仕事ができる IT 基盤」を準備する必要があると判断し、IT 基盤の見直しに踏み切りました。

新しい IT 基盤にはどんなことを期待したのでしょうか。

IT 基盤を刷新するにあたり、「事業規模が 2倍、3倍になっても、間接業務の人員を増やさずに業務を回せること」を基本コンセプトとしました。IT を活用して煩雑な手作業をなくすことで、従業員の負担を増やすことなく生産性を高めます。
さらに勘と経験に依存した意思決定から脱却し、中国拠点まで一貫したさまざまなデータに基づいて判断、実行をする経営を実現したいという思いもあります。

【選定の経緯】
マイクロソフト製品に関する高い技術力と豊富な実績を評価

パートナーに JBS を選定した理由を教えてください。

ケーテック株式会社 代表取締役社長 尾本 忠謙 氏

ケーテック株式会社 代表取締役社長
尾本 忠謙 氏

ケーテックでは、自動車業界の大手企業で IT 基盤構築を主導してきた有識者に技術顧問になっていただいています。この顧問から信頼できるパートナーとして紹介されたのが JBS でした。
これを受けて JBS について調べてみたところ、特にマイクロソフト製品について高い技術力と豊富な実績を有し、「マイクロソフト ジャパン パートナー オブ ザ イヤー」を毎年のように受賞していることがわかりました。

選定に際しては複数ベンダーから寄せられた提案をもとに比較検討を行いましたが、やはり私たちのニーズに最も合致したのは、Microsoft 365 Business Premium とネットワーク製品の Cisco Meraki シリーズを軸とした JBS の提案です。

Microsoft 365 Business Premium や Cisco Meraki シリーズのどんな点が良かったのでしょうか。

Microsoft 365 Business Premium で最も重視したのは、国内の本社や工場、名古屋オフィスはもとより、中国拠点にも展開可能なグローバルな IT 製品であることです。

Microsoft Exchange(メールと予定表)、Microsoft OneDrive / Microsoft SharePoint(ファイルストレージ)、Microsoft Teams(チームワーク)、Microsoft Office(オフィスアプリ)に加え、Microsoft Defender(エンドポイントセキュリティ)、Microsoft Intune(デバイス管理)、Microsoft Entra ID(認証・アクセス制御)といったゼロトラスト環境に必要な機能が揃っていたことにも魅力を感じました。

もう 1つの重要なポイントはクラウドベースのサービスであることで、これらの機能のすべてを本社側から集中管理することが可能です。

Cisco Meraki シリーズについても同様に、クラウド管理型のネットワークソリューションであることを高く評価しました。

社内に IT システム担当は実質 1人しかいないのですが、Cisco Meraki シリーズならこれらのソリューションをリモートで一元管理できるため、問題なく運用していけると判断しました。また、将来的には運用を JBS にアウトソースすることも可能です。

【導入効果】
JAMA・JAPIA セキュリティガイドライン v2.1 にいち早く対応した IT 基盤を実現

今回の IT 基盤刷新によって得られた成果をお聞かせください。

IT 基盤を刷新したことで、セキュリティレベルが大きく向上しました。国内自動車産業を取り巻くサイバーセキュリティリスクが深刻化する中で、日本自動車工業会(JAMA)と日本自動車部品工業会(JAPIA)は共同し、セキュリティガイドラインの初版を 2020年3月31日に策定。さらにその改訂版となるセキュリティガイドライン v2.1 を 2023年9月1日に公開しました。

これに先立つ形で当社では、Microsoft 365 Business Premium の導入を 2022年11月から開始し、2023年2月までに実装・移行を完了しました。Cisco Meraki シリーズについても同年 6月に実装・移行を終えています。これによりセキュリティガイドライン v2.1 にいち早く対応することができました。具体的には自動車業界に関係するすべての企業に求められるレベル 1 の要件 50項目をすべて満たしています。

現時点ではセキュリティガイドライン v2.1 の準拠は努力義務ですが、将来的には取引先からの調達要件に盛り込まれることも十分に予想されるだけに、当社の事業にとって非常に重要な前進です。

ケーテック株式会社 経営サポートグループ ITシステム担当 マネージャー  大野 智章 氏

ケーテック株式会社 経営サポートグループ ITシステム担当 マネージャー
大野 智章 氏

業務面における効果についても教えてください。

当初の目標である「事業規模が 2倍、3倍になっても、間接業務の人員を増やさずに業務を回せるようにすること」についても達成に大きく近づきました。

たとえば以前は紙の書類で行っていた承認申請フローは Microsoft Forms に置き換わり業務をペーパレス化するほか、業務現場のユーザー自身が Microsoft Teams の承認アプリや RPA ツールの Microsoft Power Automate を組み合わせて自動化するなど創意工夫が進んでいます。

そして IT 運用業務そのものも効率化されました。負荷軽減に一番大きな効果をもたらしたのは Microsoft Intune によるデバイス管理で、これまで Microsoft Excel 上で行っていた端末管理台帳のメンテナンスは不要となり、端末更新時のキッティング作業も自動化しました。

【今後の展望】
Microsoft Dynamics 365 Business Central の導入を検討

今後に向けた計画や構想をお聞かせください。

JAMA・JAPIA セキュリティガイドライン v2.1 対応について、現状のレベル 1 からレベル 2 へのステップアップを図ります。

さらに IT 基盤の次に考えているのは基幹業務システムの整備で、Microsoft Dynamics 365 Business Central の導入を検討しています。こちらについても中国拠点への横展開を進めていく前提です。

【JBS への評価】
スピード感をもった親身なサポートで導入を支援

あらためて JBS の導入支援とサポート体制に対する評価をお聞かせください。

集合写真

JBS は、Microsoft 365 Business Premium と Cisco Meraki シリーズのどちらも、それぞれ実質 3か月程度のスピード感をもった導入を支援してくれました。

今回のプロジェクトを通じて、当社の事業や業務、IT 環境に関する理解を深めていただいており、次のステップで予定している Microsoft Dynamics 365 Business Central の導入や、将来的な運用アウトソースについても引き続き親身なサポートを期待しています。

JBS 担当者からのコメント

クラウドソリューション事業本部 クラウドソリューションアーキテクト部 1グループ 藤田 載己

今回導入させていただいた IT 基盤やネットワークを効果的に生かしつつ、次の Microsoft Dynamics 365 Business Central の導入につなげていきたいと思います。中国拠点への横展開に関しては、日本国内と異なり一部利用できない機能も出てきますが、そういった点も含めてしっかりサポートさせていただきます。

クラウドソリューション事業本部 クラウドソリューションアーキテクト部 1グループ
藤田 載己

西日本事業本部 第2営業部 山田 啓志

ケーテックさまでは業務現場における IT リテラシーも非常に高く、今後は生成 AI やメタバースを活用したいといった声も上がってくると予想しています。これらの最新テクノロジーについても、引き続き情報提供やご提案をさせていただきます。

西日本事業本部 第2営業部
山田 啓志

クラウドソリューション事業本部 西日本クラウドソリューション1部 3グループ 康本 文博

日本と中国拠点とのデータ連携において常に課題となるのが、現地国による情報統制やグレートファイアウォールなどが挙げられます。こうした規制に対応しつつ、いかに最適な形でグローバルなネットワークを拡張、統合していけばよいのか、JBS としても最新動向を注視しつつ、課題解決をご支援いたします。

クラウドソリューション事業本部 西日本クラウドソリューション1部 3グループ
康本 文博

ケーテック株式会社

代表者:代表取締役社長 尾本 忠謙
本社・工場所在地:静岡県湖西市白須賀3985-2716
設立:1995年4月1日
資本金:2,000万円
従業員数:93名(グループ合計 133名)
事業内容:製造とラインを支える Factory Automation (FA)トータルサービス(生産設備の設計・製作〜設備保全/ITソフト・機器開発〜製造オペレーションの一貫サービス)

2024.03.04公開

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